総務省統計局「統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-」によれば、65歳以上人口が総人口に占める割合は29.4%と過去最高を更新(2025年9月14日公表)。そのうち70歳以上は23.5%となっています。
同資料によればこの割合は今後も上昇し、2040年には34.8%、2050年には37.1%と推計されています。
また、厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」によれば、65歳以上の者のいる世帯の世帯構造では単独世帯が最多となっています。
最近ではおひとりさまを選ぶ方も増え、老後ひとりで生活する場合もあるでしょう。リタイア後は仕事による収入がなくなりますから、それまでにまとまった資産を築きたいものですが簡単ではありません。
今回は70歳代の平均的なお金事情を確認します。今年も残り3カ月を切りましたから、これを機に老後資金対策についても考えてみましょう。
1. シニアのおひとりさまは年々増加へ
厚生労働省の「2024年 国民生活基礎調査の概況」によると、65歳以上の高齢者がいる世帯は全世帯の50.3%です。
次に65歳以上の世帯構造についても確認していきましょう。
1.1 65歳以上の「世帯構造」:65歳以上の者のいる世帯の内訳割合
- 単独世帯:32.7%
- 夫婦のみの世帯:31.8%
- 親と未婚の子のみの世帯:20.4%
現代の高齢者世帯の構造を見ると、単独世帯が最多で夫婦のみの世帯は2番目となり、それぞれ約3割ずつを占めています。
「単独世帯」は2001年の19.4%から原則増加傾向な一方で、「夫婦のみの世帯」も2001年の27.8%から増加していますが「単独世帯」ほどの伸びは見られません。
反対に「三世代世帯」は大きく減少しています。
こうした変化を踏まえると、高齢者が一人で生活するケースが増えているため、将来の生活設計や備えの重要性が一層高まっていると言えるでしょう。