国民年金や厚生年金の受給額は一人ひとり異なり、高額受給者もいれば平均に満たない方もいます。年金額が少ない場合、毎月の生活費をカバーすることは難しくなるでしょう。
公的年金受給額が一定基準に満たない方に対し、生活をサポートするために「年金生活者支援給付金」が支給されます。しかし、これは2019年10月からスタートした比較的新しい制度であるため、内容がよくわからない方もいるでしょう。
そこで本記事では、年金生活者支援給付金の概要を確認するとともに、対象となる方の要件や支給額、支給される時期について解説します。
1. 年金生活者支援給付金制度とは
年金生活者支援給付金とは、公的年金による収入とその他所得の合計額が一定額以下の年金受給者に対し、公的年金に上乗せされる給付金のことです。
厚生労働省年金局が公表した「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、令和5年度の厚生年金・国民年金の平均受給額は以下の通りです。
しかし、これはあくまでも平均額であり、実際には1万円未満の方もいれば、30万円以上の方もいます。
年金収入が低額の場合、生活を維持していくことが困難です。そこで、年金生活者支援給付金制度により、一定金額を給付して支援を行っています。
年金生活者支援給付金は、現在受給している基礎年金によって、給付金の種類が異なります。
基礎年金を受給していて一定要件を満たす方は、「老齢年金生活者支援給付金」または「補足的老齢年金生活者支援給付金」の受給対象となります。
2. 年金生活者支援給付金の支給金額
年金生活者支援給付金の支給金額はいくらなのか、また、給付されるタイミングはいつからになるのか、確認していきましょう。
2.1 4月分から2.7%の引上げに
年金生活者支援給付金は、令和6年の物価変動率(2.7%)により、昨年度よりも2.7%増額されます。適用されるのは2025年4月分からで、具体的な金額は以下の通りです。
「老齢年金生活者支援給付金」は昨年よりも140円増額となり、月額5450円です。「障害年金生活者支援給付金」は1級が6813円、2級が5450円に、「遺族年金生活者支援給付金」は5450円となります。
ただし、これらはあくまで基準額であり、保険料納付済期間などに応じて調整されます。
厚生労働省年金局が公表した「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、実際の平均支給額は以下の通りです(※2024年3月において認定されている支給分に係る平均給付金額(月額))。
2024年度における老齢年金生活者支援給付金の基準額は5310円でしたが、実際の支給額は4014円で、1300円ほど少額となっています。
2.2 実際に支給されるのは6月支給分から
2.7%増額された年金生活者支援給付金が支給されるのは、6月支給分の年金からです。というのも、公的年金は毎年偶数月の年6回、前月と前々月の分が振り込まれる仕組みとなっており、4月分の年金は5月分とまとめて6月に支給されるためです。
公的年金の振込日は原則15日ですが、6月15日は日曜日にあたるため、支給日は6月13日(金)となります。年金生活者支援給付金の対象となる方は、6月支給分の年金で増額を確認できます。
3. 老齢年金生活者支援給付金の受給要件
年金生活者支援給付金の3種類のうち、老齢年金生活者支援給付金を受給できる方の要件を確認していきましょう。
老齢年金生活者支援給付金の支給対象となるのは、以下の要件をすべて満たす方です。
- 65歳以上で国民年金を受給している
- 世帯全員の市町村民税が非課税である
- 前年の公的年金収入金額(※)とその他の所得との合計額が次の金額以下である
・1956年4月2日以降生まれ:78万9300円
・1956年4月1日以前生まれ:78万7700円
※障害年金・遺族年金などの非課税収入は含みません
なお、前年の所得の合計額が次の金額以下の方には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
- 1956年4月2日以降生まれ:78万9300円超88万9300円以下
- 1956年4月1日以前生まれ:78万7700円超88万7700円以下
老齢年金生活者支援給付金は、基準所得額を少しでも超えると支給対象外となってしまいます。そのため、老齢年金生活者支援給付金を受給する方の方が、所得基準額を少し超えてしまう方よりも、所得が多くなるケースがあるのです。このような逆転現象を解消するために「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給される仕組みとなっています。
4. まとめにかえて
年金生活者支援給付金が支給されるのは、公的年金とその他所得の合計額が一定基準以下の年金受給者です。2025年度は前年度よりも2.7%の増額となり、老齢年金生活者支援給付金は最高5450円が支給されます。
ただし、増額された金額が受給できるのは6月支給分からです。受給対象となっている方は、6月13日に振り込まれる年金額で確認できます。




