5. 要注意!年金生活者支援給付金の対象外になるケース
「年金生活者支援給付金」は、一定の要件を満たす方を対象とした支援制度ですが、すべての年金受給者が自動的にもらえるわけではありません。以下に該当する方は、給付金の対象外となる可能性があるため、注意が必要です。
5.1 所得が基準を超えている場合
たとえば、老齢年金生活者支援給付金の場合、以下のような基準があります。
受給者本人の前年の公的年金等の収入とその他の所得の合計が
- 昭和31年4月2日以降生まれ:88万9300円以下
- 昭和31年4月1日以前生まれ:88万7700円以下
この基準を1円でも超えると対象外となるため、注意が必要です。
5.2 同一世帯に住民税課税者がいる場合
老齢年金生活者支援給付金の対象となるには、世帯全員が住民税非課税であることが条件です。たとえ自分が非課税であっても、同居している家族が住民税を納めていれば対象外になります。
5.3 生活保護を受給している場合
生活保護を受けている方は、基本的に年金生活者支援給付金の対象外とされることがあります(自治体の判断により異なる場合あり)。
給付金は所得と見なされるため、生活保護の支給額に影響するケースもあるので、事前に福祉事務所などに相談するのが安心です。
5.4 障害・遺族年金のみを受給していても、所得が多い場合
障害年金生活者支援給付金や遺族年金生活者支援給付金も、所得制限があります。
非課税である障害年金や遺族年金の金額はこの計算に含まれませんが、課税対象となる所得(給与所得や不動産収入など)が多い場合は給付金を受け取れません。
5.5 年金の受給資格がない場合
そもそも年金の受給資格がない方(たとえば保険料納付期間が10年未満の方など)は、給付金の対象とはなりません。あくまで、「基礎年金の受給権者」であることが前提です。
5.6 事前に確認を
年金生活者支援給付金を「もらえるはず」と思い込んでいると、あとで申請しても受け取れないことがあります。自分が条件を満たしているかを、日本年金機構や市町村の年金相談窓口などで事前に確認しておきましょう。
6. まとめにかえて
年金生活者支援給付金という制度を、今回はじめて見聞きしたという人もいるかもしれません。2019年10月にスタートした本制度。比較的新しい制度であることと、対象者が限られていることから、知らなかったという人は少なくないでしょう。
給付額は月額でみると大きなインパクトはないかもしれません。しかし、物価上昇が続く中で、経済的に幾分かの支えにはなるでしょう。
今回は、年金生活者支援給付金という制度についてお伝えしましたが、低所得者をサポートする制度はこれ以外にもさまざまあります。国だけでなく、自治体が独自で行うものも。どのような優遇措置があるのか調べてみると良いでしょう。
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