値上げの勢いがとまりません。支出ばかりが増え、思うように貯蓄が進まない世帯は少なくないでしょう。
2025年4月30日、株式会社帝国データバンクが発表した「「食品主要195社」価格改定動向調査 ― 2025年5月」によると、5月は、合計478品目の飲食料品が値上げとなっています。
さらに、6~7月には1000品目超の値上げが予定されているとのこと。前年を上回る勢いで値上げが続いています。
こうした状況下だからこそ「貯蓄」の必要性を強く感じている人もいるでしょう。
すでに節約は限界…という世帯もあると思いますが、ちょっとした工夫で貯金が少し増えるかもしれません。
本記事では、筆者が銀行員時代に見た「お金が逃げていく人」の特徴を4つピックアップしてご紹介していきますので、参考にご覧ください。
1. 【貯蓄額】20歳代~70歳代《単身世帯・二人以上世帯》
金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査」より、20歳代~70歳代の貯蓄額=金融資産保有額を確認していきます。
なお、本データの貯蓄額には、日常的な出し入れ・引落しに備えている普通預金残高は含まれません。
1.1 単身世帯の貯蓄額《平均値・中央値・金融資産保有額ごとの世帯割合》
まずは単身世帯の貯蓄額について見ていきます。
【単身世帯・20歳代〜70歳代】貯蓄額の平均値・中央値
- 20歳代:平均値161万円・中央値15万円
- 30歳代:平均値459万円・中央値90万円
- 40歳代:平均値883万円・中央値85万円
- 50歳代:平均値1087万円・中央値30万円
- 60歳代:平均値1679万円・中央値350万円
- 70歳代:平均値1634万円・中央値475万円
老後を強く意識し始める年代となる50歳代の平均貯蓄額は1087万円ですが、中央値は30万円です。貯蓄額が3000万円以上の世帯が11.2%ある一方で、貯蓄ゼロの世帯が40.2%を占めています(表1)。
20歳代~70歳代のうち、貯蓄ゼロの世帯割合が最も多いのは50歳代です。
では、二人以上世帯の貯蓄額はどうなっているのでしょうか。