3. 「高年齢雇用継続給付の給付率変更」影響を受ける人と受けない人の違いは?

高年齢雇用継続給付の「給付率変更」の影響を受けるのは、2025年度以降に「60歳を迎えた日(その時点で被保険者期間が5年以上ない場合は、期間が5年を満たすことになった日)」を迎える方です。

つまり、2024年度までに高年齢雇用継続給付の支給が始まっている人は、2025年4月以降も給付率15%のまま変更はありません。

では、高年齢雇用継続給付の給付率変更の影響を受ける人と受けない人では、実際にどれほど受け取る金額が変わるのでしょうか。

3.1 【15%から10%へ】給付率引き下げで給付額はどのくらい変わる?

次に、2025年度からの給付率変更がどの程度給付額に影響を与えるのか見ていきましょう。

以前までは、60歳時点で月収30万円だった方が、60歳以降に月収18万円に減少した場合、月18万円の15%にあたる2万7000円が支給されていました。

しかし、改正後は給付率が最大10%に引き下げられるため、同じ条件であれば支給額は「1万8000円」となり、毎月の支給額が減少します。

《2025年4月1日~》高年齢雇用継続給付の支給率

《2025年4月1日~》高年齢雇用継続給付の支給率

出所:厚生労働省「令和7年4月1日から高年齢雇用継続給付の支給率を変更します」

このように、2025年4月以降に支給が開始される人は、従来よりも実質的に受け取る金額が減少する可能性が高いと予測されます。

今回の改正を受けて、個人と企業の両方で適切な対応策を検討する必要があり、企業にはシニア労働者の働く意欲を維持・向上させるための新たな工夫や支援策が求められることになるでしょう。