2. 65歳以上のリタイア世帯「ふたりの老後・ひとりの老後」標準的な家計収支は《毎月約3万円の赤字》

上記から、標準的な「65歳以上無職世帯」の家計収支は、夫婦世帯・単身世帯ともに赤字となりました。

ひと月の赤字、エンゲル係数(消費支出に占める食料費の割合)、および平均消費性向(可処分所得に対する消費支出の割合)は以下の通りです。

65歳以上《夫婦》無職世帯

  • ひと月の赤字:3万4058円
  • エンゲル係数:29.8%
  • 平均消費性向:115.3%

65歳以上《単身》無職世帯

  • ひと月の赤字:2万7817円
  • エンゲル係数:28.2%
  • 平均消費性向:122.9%

夫婦世帯、単身世帯ともに、ひと月の家計収支は3万円前後の赤字となりました。

なお、先述の支出の内訳には「介護費用」がありません。また、高齢者世帯は持ち家率が高いことから住居費も1万円台と低めです。これに上乗せして、介護施設への入居費用や、家賃分との差額の上乗せが発生する世帯もありますね。

また、趣味、旅行、「孫費用」など、生活に潤いを与える支出では、できれば奮発したいという人もいるでしょう。

65歳以降の無職世帯の場合、貯蓄の取り崩し、退職金、相続財産、不労所得などで不足分をカバーしていくと考えられます。ただし、いずれも個人差・世帯差があり、必ずしも老後の家計に組み込めるとは限りません。

次では、より確実な老後の収入源となる、老齢年金について見ていきます。