6月は1年の折り返し地点。新年度の慌ただしさも一段落し、「そろそろお金のことをしっかり考えたい」と感じる方も多いのではないでしょうか。
2024年1月から新しいNISA制度がスタートし、これまで投資に縁がなかった方も資産運用を始めるケースが増えてきました。筆者はファイナンシャルアドバイザーとして多くのご相談を受けていますが、「投資に興味はあるけれど、何から始めればいいのか分からない」という声をよく耳にします。
では、実際にNISAを活用するとどのくらい効果が期待できるのでしょうか。
今回は、新NISAを利用した積立投資のシミュレーションや、夏のボーナスに関する調査結果について詳しく解説していきます。投資初心者の方も、ぜひ参考にしてみてください。
1. 2024年から改定された「新NISA」とは?どんなメリットがある?
NISAは、2014年にスタートした投資支援制度で、2024年に「新NISA」として内容が刷新されました。
この制度の大きな特徴は、投資で得た利益が非課税となることです。
本来であれば、運用益や配当金には約20%の税金が課されますが、NISAを使うことでその課税が免除され、利益をそのまま手元に残すことができます。
ただし、NISAを利用する際には、投資可能な金額や対象となる金融商品に制限があるため、事前に押さえておくべき点がいくつかあります。
次章にて、新NISAの特徴を確認しておきましょう。
1.1 「新NISA」の特徴を知ろう!事前に押さえておくべき6つのポイント
「新NISA」の主なポイントは以下の通りです。
- 非課税保有期間は無期限
- 「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の併用が可能
- 年間投資枠は、つみたて投資枠「年間120万円」・成長投資枠「年間240万円」
- 非課税保有限度額は1800万円(内、成長投資枠1200万円)※枠の再利用可能
- つみたて投資枠の投資対象商品は「長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託」
- 成長投資枠の対象商品は「上場株式・投資信託等」
「投資」と聞くと、まとまったお金が必要だというイメージを持たれがちですが、実際には数百円からスタートできる金融商品も増えてきています。
新NISAを利用すれば、株式や投資信託にも少額から参加できるため、初心者でも無理なく始められます。
次章では、毎月一定額を積み立てた場合に、将来どのくらい資産が築けるのかを具体的に見ていきましょう。
2. 【利回り別】50歳から65歳まで「毎月5万円」を積立投資!
本章では、新NISAを活用した積立投資によって、将来的にどれほどの資産形成が可能かを検証します。
以下の前提条件に基づき、想定利回りを1%から5%まで変化させてシミュレーションを行っていきましょう。
- 50歳から65歳までの15年間で老後資金をつくる
- 積立額は毎月5万円
- 投資信託は「安定的な運用」を重視した1~5%の商品
シミュレーションの結果は、以下の通りです。
2.1 シミュレーション結果:毎月5万円×15年×年1~5%
想定利回り:資産評価額(元本部分は900万円)
- 年1%:970万6000円
- 年2%:1048万6000円
- 年3%:1134万9000円
- 年4%:1230万5000円
- 年5%:1336万4000円
15年間にわたって毎月5万円を積み立てることで、最終的に1000万円を超える資産を目指すことが可能です。
元本は900万円ですが、運用成果によっては約70万円から最大で430万円以上の利益が加わる可能性もあります。
ただし、すべての投資にはリスクがつきものであり、高い利益が期待できる商品ほど元本割れなどのリスクも大きくなるため、十分に理解しておくことが大切です。
3. 【積立額別】50歳から65歳までに「2000万円」を作る!
老後に必要な資金は世帯ごとに異なりますが、仮に2000万円を目標とした場合、50歳から65歳までの15年間でどの程度の金額を毎月積み立てる必要があるのかを確認してみましょう。
今回は、年利3%で運用する投資信託を活用したケースをもとにシミュレーションを行います。
3.1 シミュレーション結果:15年間×3%×積立額
毎月の積立金額:資産評価額
- 1万円:227万円
- 3万円:680万9000円
- 6万円:1361万8000円
- 9万円:2042万8000円
- 12万円:2723万7000円
※想定利回り:年3%
シミュレーションの結果、年利3%で15年間積み立てを続けた場合、毎月9万円以上投資すれば2000万円以上の資産形成が可能であることがわかりました。
とはいえ、月9万円という金額は多くの人にとって負担が大きく、簡単に捻出できる額ではありません。
さらに、利回りはあくまで想定であり、実際の運用が思い通りにいかない場合は、目標額に届かない可能性もある点に注意が必要です。
老後の資金準備はできるだけ早くスタートすることが大切です。
たとえば、30歳から65歳までの35年間、年利3%で運用した場合、2000万円を目指すには月々約2万7000円の積立で済みます。
このように、投資期間を長く確保することで、毎月の負担を軽減することができるでしょう。
4. 夏のボーナスの使い道は「貯金」「資産形成」がメイン
家計相談サービス「オカネコ」を展開する株式会社400Fは、全国の『オカネコ』ユーザーのうち会社員276名を対象に「オカネコ 夏のボーナスに関する調査」を実施しています。
調査概要は下記のとおりです。
- 調査名:オカネコ 夏のボーナスに関する調査
- 調査方法:WEBアンケート
- 調査期間:2025年5月30日(金)~2025年6月1日(日)
- 回答者:全国の『オカネコ』ユーザーのうち「会社員」 276人
- 回答者の年齢: 20代以下4.7%、30代19.2%、40代30.8%、50代35.9%、60代以上9.4%
- 回答者の世帯年収:400万円未満15.6%、400万円以上600万円未満19.2%、600万円以上800万円未満23.2%、800万円以上1,000万円未満15.2%、1,000万円以上1,200万円未満11.6%、1,200万円以上12.3%、分からない2.9%
- リリース公開日:2025年6月11日
4.1 夏のボーナスに「満足していない」が54.7%
調査によると、今年の夏のボーナスが「支給される」と回答した会社員に対して満足度を尋ねたところ、「満足していない」と感じている人が54.7%にのぼりました。一方で「満足している」と答えた人は30.1%にとどまり、不満の声が優勢という結果になっています。
「満足していない」と答えた人の内訳を見ると、「満足していない」が28.1%、「どちらかというと満足していない」が26.6%となっており、いずれも高い水準にあります。ボーナスの額面自体は増えているケースもあるようですが、物価高や支出の増加などを背景に、実際の生活レベルではその恩恵を感じにくいとする人が少なくないようです。
2025年の夏のボーナスに関する調査で、「支給される」と回答した会社員を対象に使い道を尋ねたところ、最も多かったのは「貯金・預金」で、全体の65.0%を占めたとのことです。次いで多かったのは、「資産形成(保険、NISA、不動産投資、投資信託など)」で49.3%という結果になっています。
一方、「旅行や外食」や「日常生活費に充てる」と答えた人はいずれも28.1%にとどまっており、ボーナスの使い道としては消費よりも貯蓄や投資に重点を置く人が多い様子がうかがえます。
物価の上昇や公共料金の値上げ、将来への不安などを背景に、消費せずに貯蓄に回す傾向が強まっているようです。
資産形成の内訳を見ると、「NISA枠内での投資」が全体の86.0%を占めており、新NISA制度の非課税メリットへの関心が高まっていることが分かります。また、NISAの枠を超えて積極的に資産運用を行う人や、NISA対象外の金融商品にも目を向ける層も一定数いるようです。
こうした動きから、2025年のボーナスの使い道は「生活防衛のための貯蓄」と「将来を見据えた投資」という、二極化した傾向がよりはっきりと表れてきているようです。
5. 資産運用にはリスクが伴うことも理解しておこう
ここまで新NISAについて解説してきましたが、大切なのは「自分の目的や現状に合った運用方法を選ぶこと」です。「NISA」は国が推奨する制度という安心感から、何となく始める方も多いですが、元本が保証されているわけではなく、投資にはリスクが伴います。
自分に合わないリスクの高い商品を選んでしまうと、相場の変動で資産が大きく減ってしまい、不安から途中で投資をやめてしまう人も少なくありません。しかし、資産形成を途中で止めてしまうと、老後に向けた資金づくりが難しくなる可能性があります。
投資のリスクは、「長期」「分散」「積立」を基本とすることで、ある程度は抑えられると言われています。だからこそ、焦らずコツコツと積立を続けていくことが大切です。
NISAを活用する際は、自分のリスク許容度をしっかりと把握し、自分に合った商品や手段を選ぶようにしましょう。
6. 【ご参考】年金に関する疑問や不安を解消!よくある質問を解説
「年金って難しそう…」と感じている人は、多いのではないでしょうか。でも、基本のポイントを押さえると、意外とシンプルなのです。ここでは、年金についてよくある疑問について、わかりやすくお答えしていきます。
6.1 年金の仕組みってどうなってるの?
まず、日本の公的年金は「2階建て」構造です。下の階が「国民年金」、その上に「厚生年金」があるイメージです。
国民年金
国民年金は、20歳から60歳未満の全員が加入対象。特に自営業やフリーランスの方がメインです。
毎月決まった金額を支払います。いわば、年金の基礎部分です。
厚生年金
厚生年金は、会社員や公務員の方が加入対象です。こちらは収入に応じて保険料が変わるので、もらえる年金額も収入の影響が大きくなってきます。
そのため、個人差が出やすくなっています。
6.2 「繰下げ受給」って実際どうなの?
通常、年金は65歳からもらうものですが、「まだ働けるし、今すぐ必要じゃない」という方には「繰下げ受給」という選択肢があります。簡単に言うと、年金の受け取りを後回しにして、もらう額を増やす方法です。
たとえば、65歳で受け取る予定を75歳まで繰り下げると、年金額が84%も増えるんです。
もし健康で他にも収入源があるなら、繰下げ受給を検討してみる価値は十分にあるでしょう。
6.3 年金や老後資金をもっと増やすには?
繰下げ受給以外にも、年金や老後資金を増やす手段はいくつかあります。
国民年金の付加保険料を払う
自営業やフリーランスの方は、少し追加で保険料を払うことで、将来もらえる年金額をアップできます。
厚生年金に加入する
もし可能なら、厚生年金に加入するのも手です。もし国民年金だけに加入していた場合、会社員になったり、厚生年金が適用されるような働き方を選ぶと、年金額が増えます。
資産運用に挑戦
iDeCo(個人型確定拠出年金)や投資信託での資産運用も有効です。
ただし、これは場合によっては元本割れのリスクもあるので、まずはしっかり調べてからスタートするのが大事。お金の増やし方も「焦らずじっくり」がポイントです。
これで、年金の仕組みが少しクリアになったでしょうか?
ちょっとずつでも理解を深めていくと、老後への不安が少しずつ減っていきますよ。将来に向けて、一緒に準備を始めていきましょう。






