5. 健康保険料(協会けんぽ)はどのように計算する?
協会けんぽの健康保険料の計算方法についても確認しておきましょう。
協会けんぽの保険料は、標準報酬月額に都道府県ごとの保険料率を掛けて算出されます。
たとえば、東京都の保険料率は9.91%で、標準報酬月額が30万円の場合、40歳未満の方は保険料が約2万9730円となります。
また、40歳から64歳までの方(介護保険第2号被保険者)は、介護保険料率(1.59%)が追加される点に注意が必要です。
たとえば、標準報酬月額が30万円の場合、40歳未満の方は保険料が2万9730円ですが、40歳以上65歳未満の方は、介護保険料(1.59%)が加算され、最終的な保険料は3万4500円になります。
なお、被用者保険の場合、保険料は事業主と折半されるため、実際に給与から差し引かれるのはその半分となります。
【標準報酬月額が30万円の場合】
- 40歳未満の方:2万9730円(個人負担は1万4865円)
- 40歳以上65歳未満の方:3万4500円(個人負担は1万7250円)
上記は東京都の例であり、協会けんぽの保険料率は都道府県ごとに異なるため、気になる方はご自身の地域における保険料率を確認して計算してみてください。
6. 保険料率の見直しは毎年行われる?今後の変動にも注意
協会けんぽの保険料率は毎年見直しが行われるため、「今年はどうなるか?」を定期的にチェックすることが大切です。
実際、全国健康保険協会は毎年2月ごろに翌年度の保険料率を発表しており、毎年4月(3月分の保険料)から新しい料率が適用されるのが一般的です。
今後も高齢化の進行や医療費の増加により、保険料率が緩やかに上昇していく可能性は高いと見られています。
たとえば、厚生労働省が公表している医療費の動向によると、医療費は増え続け、2022年度の国民1人あたりの医療費は37万3700円と過去最高水準に達しています。
また、4月は保険料だけでなく、住民税や年金、扶養控除など家計に関わる制度がまとめて変更されやすい時期です。給与明細や自治体からのお知らせをチェックし、負担の増減に気づけるよう備えておきましょう。
参考資料
- 全国健康保険協会「令和7年度の協会けんぽの保険料率は3月分(4月納付分)から改定されます」
- 全国健康保険協会「令和7年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表」
- 全国健康保険協会「事業年報(令和4年度)/事業年報概要」
- 厚生労働省「令和4(2022)年度 国民医療費の概況」
和田 直子