この春から年金生活に入る人もいるでしょう。2025年度の基礎年金受給額は6万9308円と、前年度から1308円増加しています。2025年度の金額で支給が始まるのは6月13日からです。

年金からは、給与と同じように税金や社会保険料が差し引かれます。つまり、支給される年金額と手元に残る年金額は異なるのです。年金受給額が月額15万円の場合、手取り年金額はいくらなのでしょうか。この記事では、年金から差し引かれるお金や手取り年金額について解説します。

1. 年金から差し引かれる税金や社会保険料とは?

年金から差し引かれるお金は、以下の5つです。

所得税

  • 65歳未満:年間の年金受給額が108万超
  • 65歳以上:年間の年金受給額が158万超

住民税

  • 以下の条件をすべて満たす場合
    ・65歳以上
    ・老齢もしくは退職を理由に年金を受給
    ・年間の年金受給額が18万円以上

国民健康保険料

  • 以下の条件をすべて満たす場合
    ・後期高齢者医療制度の該当者を除く65歳以上75歳未満
    ・老齢・退職・障害・死亡を理由に年金を受給
    ・年間の年金受給額が18万円以上

後期高齢者医療保険料

  • 以下の条件をすべて満たす場合
    ・75歳以上か後期高齢者医療制度の該当者
    ・老齢・退職・障害・死亡を理由に年金を受給
    ・年間の年金受給額が18万円以上

介護保険料

  • 以下の条件をすべて満たす場合
    ・65歳以上
    ・老齢・退職・障害・死亡を理由に年金を受給
    ・年間の年金受給額が18万円以上

※国民健康保険料および後期高齢者医療保険料は、介護保険料との合計額が特別徴収対象年金額の2分の1を超える場合は、天引きされない。

上記の税金や社会保険料は、年金の受給額や受給事由が条件を満たしている場合に差し引かれます。所得税や住民税は、所得額が一定以下であれば非課税となるため、年金受給額や年金以外の所得が少ない場合は、差し引かれない可能性があります。

一方、社会保険料は生涯にわたって納付が必要です。老齢年金を年間18万円以上受け取っているのであれば、年金からの天引き対象になるとおさえておきましょう。

条件を満たしておらず税金や社会保険料が年金から差し引かれない場合は、納付書などで納めます。とくに介護保険料については年度の途中で65歳になった場合、天引きが始まるまでに期間が空く可能性があります。天引きされると勘違いして、納め忘れないよう注意しましょう。

次章では、月額15万円の年金の手取り金額を解説します。