3. 自分の年金額はどのように把握する?
現役世代のなかには、将来自分がいくら年金を受け取れるのか気になる人もいるでしょう。将来の年金受給額を確かめるには、ねんきん定期便やねんきんネットを活用しましょう。
ねんきん定期便は、毎年自分の誕生月に送られてくる、年金に関する情報が網羅された書類です。ハガキまたは封書で送られてきます。記載されている内容は、以下のとおりです。
3.1 50歳未満(35歳、45歳以外)
- 送付形式:ハガキ
- 通知内容
・保険料納付額
・月別状況(直近13月)
・年金加入期間
・これまでの加入実績に応じた年金額
3.2 50歳以上(59歳以外)
- 送付形式:ハガキ
- 通知内容
・保険料納付額
・月別状況(直近13月)
・年金加入期間
・老齢年金の種類と見込額 - 受給者(直近1年間に被保険者期間がある場合)
- 送付形式:ハガキ
- 通知内容
・月別状況(直近13月)
・保険料納付額
・年金加入期間
3.3 35歳、45歳
- 送付形式:封書
- 通知内容
・保険料納付額
・年金加入期間
・これまでの加入実績に応じた年金額
・これまでの年金加入履歴
・月別状況(全期間)
3.4 59歳
- 送付形式:封書
- 通知内容
・保険料納付額
・年金加入期間
・老齢年金の種類と見込額
・年金加入履歴
・月別状況(全期間)
保険料の納付状況に加えて、加入実績に応じた年金額や見込受給額が記載されます。見込受給額が記載されるのは50歳以上からで、50歳未満の人は加入実績に応じた年金額が記載されています。
おおよその年金額を把握できるため、老後のライフプランニングに役立てられるでしょう。
なお、ねんきん定期便には年金から差し引かれる税金や社会保険料は記載されていません。実際に受給できる金額は、ねんきん定期便に記載されている金額よりも若干少ない金額であることをおさえておきましょう。
年金情報は、Web上でも閲覧できます。ねんきんネットを活用すれば、最新の年金記録や受給見込額の試算が可能です。
インターネットバンキングによる保険料の支払いや、ねんきん定期便の閲覧などもできるため、年金に関するあらゆる手続きがWeb上で完結できます。
ねんきんネットを使う際は、マイナポータルとねんきんネットを連携させるか、ユーザIDの取得が必要です。連携・取得の手続きを済ませて、年金情報をチェックしましょう。
4. まとめ
現代のシニア世代の年金平均月額は国民年金が5万円台、厚生年金が14万円〜16万円です。厚生年金は年齢別・男女別で差が見られるため、年金が少ないと感じる人は定年後も働くなどして年金を増やす工夫が必要でしょう。
また、年金に頼らない資産づくりも重要です。iDeCoやNISAなどお金を運用できる制度を活用しながら、老後生活に備えましょう。
参考資料
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 日本年金機構「大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています」
- 日本年金機構「ねんきんネットとは?」
石上 ユウキ