2. 「払い損はしたくない…」年金制度をどう考える?

日本の年金制度は、現役世代が納めた保険料を現在の受給者が受け取る「賦課方式」であることも特徴のひとつです。

自分が納めた保険料を自分で受け取る「積立方式」ではないため、「支払った保険料を回収できない」というケースも少なからず存在します。

ただし、長生きをすることで受給期間が長くなれば支払った額を上回ることもあり、また障害年金や遺族年金によって保障を受けるケースも考慮すると、たしかに損得だけで年金制度を考えるのは適切ではないのかもしれません。

3. 今後は制度見直しの必要も

とはいえ、少子高齢化が進むことによって現役世代の負担が重くなっているのも事実です。

保険料の引き上げや将来的な給付水準の引き下げなどによって、年金制度に不満や不安を感じるのも無理はないといえます。

ここで、厚生労働省が5年ごとに実施している年金制度の財政検証をもとに、払い損について考えてみましょう。

財政検証では、将来の年金の「所得代替率」がどう推移していくかの検証を行っています。所得代替率とは、65歳以降に受け取る年金額が現役世代の所得に対してどれくらいの水準かということを示すものです。

たとえば所得代替率が60%の場合、そのときの現役世代の所得に対して60%の年金額を受け取れるということを示しています。

直近2024年の財政検証では複数の経済前提のうえでシミュレーションが行われていますが、まずは経済が成長を続けながら移行した場合の結果を見てみましょう。