2025年4月18日、総務省は消費者物価指数を発表しました。
3月の総合指数は2020年を100として111.1と前年同月比3.6%、生鮮食品を除く総合指数は110.2で前年同月比3.2%と、それぞれ上昇しています(参照:総務省「2020年基準 消費者物価指数 全国2025年(令和7年)3月分(2025年4月18日公表)」)。
日々の生活はなんとかやりくりできているものの、貯金にまわす余裕はないという世帯は少なくないでしょう。
しかし、いま現役で働いている世代にとって老後資金の準備は必須といえます。公的年金だけで老後の全ての生活費をまかなうことは容易ではないと想定し、相応の資産を準備しておきたいものです。
本記事では、老後が目前に迫る年代・すでに老後生活を送る年代の貯蓄額はどのくらいか、「50歳代・60歳代・70歳代」の貯蓄額データを観察していきます。
1. 【50歳代・60歳代・70歳代】貯蓄2000万円以上を保有する世帯は何パーセント?
J-FREC 金融経済教育推進機構が実施した「家計の金融行動に関する世論調査 二人以上世帯(2024年)」のデータを基に、50代・60代・70代で2000万円以上の貯蓄を持つ世帯の割合や、その平均・中央値を詳しく見ていきます。
※調査の貯蓄額には、日常の支出や口座引き落としのための普通預金残高は含まれていません。
- 50歳代:17%
- 60歳代:28%
- 70歳代:27.9%
50歳代では約17%(6世帯に1世帯)の世帯が2000万円以上の貯蓄を持っていますが、60歳代・70歳代では約30%(3世帯に1世帯)が該当することがわかります。これは、定年前後の時期に資産形成が進む世帯が増えるためと考えられます。
さらに、これらの世帯の平均値と中央値は以下の通りです。
1.1 50歳代・60歳代・70歳代の貯蓄額(平均値・中央値)
- 50歳代 1168万円・250万円
- 60歳代 2033万円・650万円
- 70歳代 1923万円・800万円
このデータから、60歳代・70歳代の平均貯蓄額は2000万円前後ですが、中央値は1000万円未満であることがわかります。
つまり、一部の高額資産を持つ世帯が平均値を押し上げているものの、多くの世帯は2000万円には届いていない現状が浮き彫りになっています。