次回の年金支給日は2025年8月15日です。近年の物価上昇により日常の支出がかさむなか、支給日を心待ちにしているシニア世帯も少なくないでしょう。

実際、J-FLEC(金融経済教育推進機構)が実施した「家計の金融行動に関する世論調査2024年」によると、60歳代・70歳代の二人以上世帯のうち、年金だけで「日常生活費程度もまかなうのが難しい」と感じている人が3割以上にのぼることが明らかになりました。

老齢年金世代が「年金にゆとりがない」と感じる理由

老齢年金世代が「年金にゆとりがない」と感じる理由

出所:J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」をもとにLIMO編集部作成

多くの高齢者が「年金にゆとりがない」と感じている背景には、次のような要因があります。

  • 食料品や光熱費など生活必需品の物価上昇
  • 高齢化による医療費や介護費の自己負担増
  • 増税や社会保険料の実質的な負担増加

2025年度は年金額が引き上げられていますが、物価上昇率を考慮すれば実質的な購買力はむしろ低下しているのが現実です。今後もインフレが継続すれば、年金生活を取り巻く環境はさらに厳しさを増す可能性があるでしょう。

本記事では、厚生年金と国民年金の受給額が「月額20万円以上の人」と「月額10万円未満の人」の割合について見ていきます。

現代のシニアが直面する年金の実態を把握し、将来の生活設計を考えるきっかけにしましょう。