物価上昇や実質賃金の低下は、私たちの生活に大きな影響を与えています。家計が圧迫され、生活が立ち行かないと感じる人もいるでしょう。
私たちの生活が困窮しているときには、生活保護制度を利用できます。ところが、近年生活保護の申請件数は増加し続けています。
生活保護件数が増えている理由はなんでしょうか。また、保護率が高い地域はどこなのでしょうか。この記事では、生活保護の申請件数や保護率の高い都道府県について解説します。
1. 生活保護の仕組み
生活保護とは、健康で文化的な最低限度の生活を営み、自立の助長を図るために、困窮の程度に応じて必要な保護が行われる制度です。保護の申請は国民の権利であり、誰でも相談や利用ができます。
1.1 《生活保護》支給額の考え方
生活保護で支給される金額は「最低生活費」から収入を除いた金額です。最低生活費は、世帯構成や住んでいる場所によって異なります。東京都の場合は約13万円といわれています。
1.2 《生活保護》8つの扶助
生活保護で受けられる扶助は、以下のとおりです。
- 生活扶助:日常生活に必要な費用(食費・被服費・光熱費等)
- 住宅扶助:アパート等の家賃
- 教育扶助:義務教育を受けるために必要な学用品費
- 医療扶助:医療サービスの費用
- 介護扶助:介護サービスの費用
- 出産扶助:出産費用
- 生業扶助:就労に必要な技能の修得等にかかる費用
- 葬祭扶助:葬祭費用
日常生活に加え、住居費や教育費、医療費についても扶助が受けられます。さまざまな支出に対して扶助が出るため、生活の立て直しが図りやすくなるでしょう。