3. 老後はどれくらいお金が必要なのか
ここまで、専業主婦と会社員や公務員の年金受給額を確認してきました。
では、老後はどのくらい生活費がかかるのでしょうか。いくら年金をもらえれば、年金だけで暮らすことが可能なのでしょうか。
総務省統計局「家計調査報告書（家計収支編）」によると、2024年における65歳以上の夫婦のみ無職世帯の1か月の平均支出とその内訳は以下のとおりです。
3.1 65歳以上の夫婦のみ無職世帯の支出（月額）
- 食料：7万6352円
- 住居：1万6432円
- 光熱・水道：2万1919円
- 家具・家事用品：1万2265円
- 被服及び履物：5590円
- 保険医療：1万8383円
- 交通・通信：2万7768円
- 教育：0円
- 教養娯楽：2万5377円
- その他の消費支出：5万2533円
・諸雑費：2万2125円
・交際費：2万3888円
・仕送り金：1040円 - 直接税：1万1162円
- 社会保険料：1万9171円
合計：28万6877円
税金と社会保険料を合わせた平均支出は、月28万6877円となっています。
国民年金の平均受給額は月5万7584円、会社員や公務員などの厚生年金受給者の平均年金受給額は月14万3973円のため、会社員や公務員経験がない専業主婦の妻と平均的な会社員の夫で構成される世帯では、年金だけで一般的な生活を送るのは難しいです。
一方、夫婦ともに会社員や公務員として勤務した共働き夫婦の場合、年金だけで生活できる世帯も少なくないでしょう。
4. 老後に必要な備えは世帯によって異なる
本記事で紹介した通り、老後にもらえる年金額は世帯によって異なります。
そのため、世帯ごとに年金以外に必要な貯蓄を把握しましょう。
まずは老後にもらえる年金をシミュレーションすることが重要です。日本年金機構の「ねんきんネット」を利用すれば、簡単に年金受給額をシミュレーションできるため、ぜひ利用してみてください。
参考資料
苛原 寛
