筆者は日頃、個人向けの資産運用アドバイザーとして活動しています。その中でよくあるご相談のひとつが、「預貯金のままにしているお金を、何かで運用してみたい」というものです。

こうした方々には、年収が高い方はもちろん、相続や贈与、あるいは支出を抑えた生活によって自然と預貯金が増えたという方も含まれます。

今回の記事では、日本における「富裕層」の定義やその割合に触れつつ、地方に住む20歳代~40歳代の若年富裕層、いわゆる「令和リッチ」と呼ばれる人々の消費動向について詳しく解説していきます。

記事の最後では、預貯金として保有している資金をどのように運用していくべきか、その基本的な考え方や活用方法もご紹介しています。

1. 【純金融資産1億円以上】「富裕層」と呼ばれる資産家たちはどれくらいいる?

「富裕層」と呼ばれる資産家たちは、どのような世帯なのでしょうか。

野村総合研究所が2025年2月13日に公表したニュースリリースでは、純金融資産保有額(※)に応じて世帯を以下の5つの層に分類しています。

※純金融資産保有額:預貯金、株式、債券、投資信託、一時払い生命保険や年金保険など、世帯として保有する金融資産の合計額から不動産購入に伴う借入などの負債を差し引いたもの

1.1 純資産保有額の階層別にみた「保有資産規模と世帯数」

純金融資産保有額の階層別にみた保有資産規模と世帯数

出所:株式会社野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層・超富裕層は合計約165万世帯、その純金融資産の総額は約469兆円と推計」

 

 

  • マス層(3000万円未満)
  • アッパーマス層(3000万円以上5000万円未満)
  • 準富裕層(5000万円以上1億円未満)
  • 富裕層(1億円以上5億円未満)
  • 超富裕層(5億円以上)

ここでは純金融資産1億円以上5億円未満の世帯を「富裕層」、5億円以上の世帯と「超富裕層と定義し、世帯数や保有資産の規模についての推計データが公表されています。

このうち「富裕層」と「超富裕層」を合わせた世帯数は165万3000世帯に達し、全世帯の約3%を占めることが分かりました。

この合計世帯数は、推計が開始された2005年以降で最多です。また、富裕層・超富裕層それぞれの世帯数も2013年以降、継続的に増加傾向となっています。