3. 20歳代~40歳代の若年富裕層「令和リッチ」の消費動向

株式会社読売広告社は2025年6月26日、「ローカル令和リッチ調査」の結果を公表しました。調査は2025年2月10日から2月18日にかけて、東北・九州・首都圏に住む25歳から49歳の男女972人を対象にインターネット上で実施されました。

同社では、20歳代から40歳代の若年富裕層を「令和リッチ」と定義し、新たな消費をけん引する存在として注目。令和リッチは、「起業家リッチ」「世襲リッチ」「ダブルエンジン」の3つに分類されており、2021年から継続的に動向調査が行われています。

今回の調査は東北と九州エリアに焦点を当て、20歳代から40歳代の既婚者を「一般層」と定義し、令和リッチとの間で消費傾向の違いを分析しています。

今回の割付条件は以下のとおりです。

  • 「起業家リッチ」:過去10年以内に起業または過去5年以内にIPOを経験し、かつ世帯年収1000万円以上または保有金融資産3000万円以上の人
  • 「世襲リッチ」:過去5年以内に3000万円以上の相続、過去3年以内に330万円以上の贈与、または過去1年以内に100万円以上の援助を受けた人
  • 「ダブルエンジン」:世帯年収2000万円以上で、かつ共働きである家庭

東北・九州エリアにおける令和リッチの内訳を見ると、いずれの地域でも「世襲リッチ」が多数を占め、「ダブルエンジン」は少数派となっています。

具体的には、東北では起業家リッチが24.8%、世襲リッチが65.7%、ダブルエンジンが9.5%。九州では起業家リッチが31.1%、世襲リッチが58.5%、ダブルエンジンが10.4%という結果でした。

3.1 【ランキング】今後欲しい高額商品TOP5

今後欲しい高額商品について見ると、東北・九州の両エリアで共通して上位に挙がったのは「株や投資信託」および「投資用の住宅・不動産」でした。

3位以下には地域ごとの差が見られます。東北では「高級ジュエリー」や「自動巻き・手巻きの腕時計」など、宝飾品への関心が高い傾向が見られました。一方で九州では「高級国産車」へのニーズが目立ちました。

こうした消費傾向の背景には、各家庭の資産状況や収入レベルも関係していると考えられます。そこで次に、2024年12月にJ-FLEC(金融経済教育推進機構)が公表した「家計の金融行動に関する世論調査2024年」の結果から、世帯年収ごとの金融資産の内訳に関するデータを見ていきましょう。