現役を退く際に受け取る「退職金」は、老後の生活を考えるにあたり、経済的安定を支える非常に重要な資金です。

2023年時点における厚生労働省の就労条件総合調査によれば、大学・大学院卒者(20年以上勤務かつ45歳以上の退職者に限る)の定年退職による退職金平均額は、1896万円となっています。

この調査は、様々な業種の企業を対象としたものです。

一方で、2023年時点の公務員の平均退職金支給額は約2147万円であることが公表されています。平均額が2000万円を超えており、民間企業の退職金平均額と比較しても高額であることがわかります。

なぜ、公務員の退職金平均額は高額となるのでしょうか。

今回は、2023年度データをもとに、勤続年数別の公務員退職金の実態や仕組みを詳しく解説していきます。ぜひ参考にしてください。

1. 勤続年数別の退職金手当支給額

まずは、2023年時点の公務員と民間企業の退職金データを見ていきます。

1.1 公務員の退職金手当支給額

公務員が定年退職をした際の、勤続年数別の退職手当平均支給額は、以下の通りとなっています。

公務員の退職金手当支給額

公務員の退職金手当支給額

出所:内閣官房内閣人事局「退職手当の支給状況」

  • 勤続5年未満:約246万円
  • 勤続5年〜9年:約492万円
  • 勤続10年〜14年:約854万円
  • 勤続15年〜19年:約1184万円
  • 勤続20年〜24年:約1257万円
  • 勤続25年〜29年:約1599万円
  • 勤続30年〜34年:約2001万円
  • 勤続35年〜39年:約2389万円
  • 勤続40年以上:約2311万円

※平均勤続年数:35年7カ月
※全体の平均支給額:約2147万円