3. 退職金を一括投資するのは危険!失敗を防ぐポイントを解説
退職金制度がある企業に勤務している方の場合、退職時にまとまった金額の退職金を受け取ることもあるでしょう。
退職金の一部をNISAでの運用に回して、資産寿命を延ばすことは効果的な対策です。
しかし、投資経験のない人が退職金を投資に回すときは、注意が必要です。
投資の経験がない人は、自分のリスク許容度の認識が甘かったり、金融機関の窓口で担当者から勧められるがまま手数料の高い商品を購入したりするケースがあるためです。
預金口座に退職金が振り込まれ、「ある程度余裕資金を持っている」という情報は、金融機関に筒抜けです。退職金が振り込まれた金融機関から、いきなり金融商品の営業を受けることは、よくあります。
投資経験がないと、投資信託や保険を勧められたとき、手数料が高いのか安いのか判断できません。また、金融機関の担当者はさまざまな甘言を用いて営業してくるため、ついつい購入してしまう人が多いのです。
特に、ここ数年は株式市場が好調で「自分でも儲かるのではないか」と感じてしまう可能性があります。投資の経験がない人は、「利益を得られる可能性がある一方で、損失を被る恐れもある」というリスクを過小評価している可能性があります。
退職金のほとんどを投資に回してしまった結果、下落相場に巻き込まれてしまうと大切な老後資金を失いかねません。
老後生活の経済的な安定を得るために投資は効果的ですが、投資経験がない方は、まず少額から経験を積むとよいでしょう。値上がりや値下がりをする実体験を得ることで、「投資にはリスクがある」という事実を認識できるはずです。
また、投資対象を選ぶ際には「低コストで分散が効いているもの」を選びましょう。手数料をはじめとしたコストは投資家のリターンを削る要素であるため、できるだけ抑えるのが鉄則です。
4. 【まとめ】資産寿命を延ばして安心の老後を迎えよう
65歳以上の平均貯蓄額は、ここ数年増え続けています。投資をする人が増え、株式市況が好調だったことが、背景の一つとして考えられるでしょう。
資産の一部を投資に回し、運用益の一部を老後生活に充てれば、資産寿命を延ばせます。
NISAを活用すれば、運用益に対する課税を回避できるため、有効活用しましょう。
ただし、退職金を受け取った人が、いきなりまとまった金額を投資に回すのは控えたほうがよいでしょう。
特に、投資経験がない人は投資のリスクに対する見通しが甘くなりやすかったり、金融機関の窓口で粗悪な商品を薦められたりするため注意が必要です。
参考資料
柴田 充輝