ファイナンシャルアドバイザーである筆者は、普段から資産形成についてのご相談をお受けしていますが、最も多い相談内容の一つに「老後資金の準備」があります。
40歳代や50歳代はもちろん、最近では20歳代でも老後資金に対する不安を抱いている方が増えています。
では、現シニア世代の人たちは貯蓄をいくら保有して老後生活を送っているのでしょうか。
今回は、60歳代と70歳代の世帯に絞って、貯蓄額を確認していきます。
1. 【60歳代・二人以上世帯】貯蓄3000万円超の世帯はどのくらい存在する?
金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」によると、60歳代・二人以上世帯の貯蓄割合は下記の通りです。
- 金融資産非保有:20.5%
- 100万円未満:6.5%
- 100~200万円未満:5.3%
- 200~300万円未満:3.7%
- 300~400万円未満:3.1%
- 400~500万円未満:3.1%
- 500~700万円未満:6.3%
- 700~1000万円未満:5.3%
- 1000~1500万円未満:8.9%
- 1500~2000万円未満:5.8%
- 2000~3000万円未満:8.0%
- 3000万円以上:20.0%
- 無回答:3.6%
平均:2033万円
中央値:650万
60歳代の二人以上世帯において、貯蓄が3000万円以上の世帯は20.0%を占めています。
一方で、貯蓄が全くない「金融資産非保有」の世帯も20.5%となっており、貯蓄の有無において明確な差が見受けられます。
この年代では、現役で働く人と年金生活を送る人が混在しており、退職金を受け取って一気に貯蓄が増えるケースも考えられます。
では、老後生活が本格的に始まる70歳代の世帯では、どのような貯蓄状況となっているのでしょうか。
次章では、70歳代の貯蓄状況について詳しく探っていきます。