1.3 特例加算とは

2023年10月に生活保護基準が改定され、臨時的・特例的な対応として生活扶助の特例加算が設けられました。

新型コロナウイルス感染症や物価上昇などによる生活への影響を考慮したものです。特例加算額は、世帯人員1人当たり月額1000円です。

特例加算は2025年3月31日までの限定措置で、2025年4月1日以降については社会・経済の情勢に応じて改めて検討されることとされました。

ここまでは、生活保護制度と生活扶助の概要、最低生活費の計算方法などについて解説してきました。

次章では、2025年4月に実施予定の生活扶助基準額の引上げについて解説します。

2. 2025年4月の生活扶助基準額の引上げ

2025年4月の生活扶助基準額の引上げ内容と、その影響について解説します。

2.1 引上げは1人当たり月額500円

2025年度の社会保障関係費が議論されていますが、生活保護制度については2025年4月に次の対応が実施される予定です。

  • 2025年度と2026年度の2年間の臨時的・特例的な対応として、「特例加算を月額1500円」とする
  • 加算を行ってもなお従前の基準額から減額となる世帯は、従前の基準額を保障する

2024年度までの特例加算は1000円であるため、生活扶助基準額は月額500円の引上げとなります。

特例加算は世帯人員1人当たり500円アップとなり、世帯で見ると3人家族なら1か月1500円、4人家族なら2000円増額されることになります。