3. 平均貯蓄額と中央値を確認する
70歳代の貯蓄状況をより深く理解するためには、金額区分ごとの割合だけではなく、平均貯蓄額や中央値にも注目することが重要です。
3.1 平均値と中央値の違い
平均貯蓄額とは、全世帯の貯蓄額を合計して世帯数で割った値を指します。極端な高額貯蓄者がいると値が上がるため、「一般的な金額」とは異なる可能性があります。
中央値とは、全世帯を貯蓄額の低い順に並べたときに、ちょうど真ん中に位置する世帯の貯蓄額を指します。極端な値の影響を受けにくいため、全世帯数の中で「一般的な数値」を算出しやすいです。
3.2 70歳代の平均貯蓄額と中央値
上述した調査結果によると、70歳代の平均貯蓄額は単身世帯で1634万円、二人以上世帯で1923万円、中央値は単身世帯で475万円、二人以上世帯800万円となっています。
平均値と中央値の間には1000万円以上の開きがあり、一部の高額貯蓄者が平均値を押し上げている一方で、多くの世帯の金融資産保有額は平均値よりも少ないことが分かります。
4. 老後の貯蓄を増やす4つの方法
このように、70歳代の世帯貯蓄額は、世帯によって大きく差が開いていることが確認できました。しかし、70歳代になってからこの差を埋めることは非常に困難です。
そのため、老後資金の準備は、できるだけ早いうちから取り組むことが大切です。老後資金を増やす方法として、4つの方法をご紹介していきます。
4.1 生活費の見直しをする
毎月の生活費を見直し、無駄な支出を減らすことを心がけることが大切です。
月の収支を確認し、何にお金を使っているのかを把握することが重要です。食費、住居費、光熱費、通信費、保険料、娯楽費など、それぞれの項目について、無駄な支払いがないかを改めて確認することで、無駄な出費を減らして効率よく貯蓄をすることができます。
一つ一つは小さな金額でも、日々の節約が年単位で大きな金額となり、70歳以降の貯蓄額に影響をしてくるため、コツコツと積み重ねていくことが大切です。
4.2 収入を増やす
生活費の見直しで支出を減らすのと同時に、収入を増やすことにも意識を向けることも大切です。
資格試験に挑戦をするなどによるキャリアアップや、副業をするなどで、現在よりも収入額を上げていくことを目指すことができます。勤めている会社での収入を上げることができれば、支払う社会保険料が増加するため、将来受け取ることができる年金額も増やすことができます。収入が増えることにより、月の貯蓄に回せる金額が増えるため、将来の貯蓄額の増額に繋げることが可能です。