2. 「後期高齢者医療制度」の保険料負担は今後増えるのか
2024~2026年度における65歳以上の介護保険料(基準額)は、前期の2021~2023年度と比べて3.5%の上昇となり、過去最高水準に達しています。
社会保険料の負担が年々重くなる中、後期高齢者医療制度の保険料は今後どのように推移するのでしょうか。
2.1 「後期高齢者医療制度の保険料」はどうやって決まる?
後期高齢者医療制度の保険料は、「均等割」と「所得割」を合算して算出されます。
「均等割」はすべての加入者が一律に負担する金額で、「所得割」は前年の所得に応じて決まり、これらの金額や率は都道府県によって異なります。
たとえば東京都では、均等割額が4万7300円、所得割率が9.67%(上限80万円)と設定されています。
ただし、軽減や緩和措置が適用されるケースもあるため、単純な計算では把握しきれない点もあります。
多くの自治体では、保険料の試算ができるシミュレーションサイトを提供しているため、利用してみるとよいでしょう。
次章では参考として、国民健康保険から後期高齢者医療制度へ移行した場合の保険料の試算例を見ていきます。
2.2 【比較】「後期高齢者医療」と「国民健康保険」の保険料はどのくらい違う?
ここでは、単身世帯で年金収入が168万円のみの場合を想定しています(厚生年金の月額平均約14万円を基に算出)。
この条件で東京都における後期高齢者医療制度の年間保険料を試算すると、2万700円という結果になりました。
一方、東京都北区で同じ条件で国民健康保険料を計算すると、年間3万6980円となります。
このケースでは、後期高齢者医療制度のほうが負担は軽くなることがわかります。
ただし、加入前の保険が社会保険だった場合は、保険料がさらに低い場合もあります。
また、被扶養者だった方はこれまで保険料がかからなかったため、後期高齢者医療制度への加入によって新たに保険料の支払いが発生する点に注意が必要です。
このように、軽減措置があっても、制度移行によって保険料が増えることもあるため、「地域によって保険料が異なること」や「近年の負担増加傾向」にも目を向けておく必要があります。