秋の行楽シーズンを迎え、気持ちの良い季節となりました。一方で、セカンドライフの生活を支える年金について、「将来、自分はいくらもらえるのだろう?」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。2025年度の公的年金は前年度から1.9%の引き上げが発表されましたが、これは私たち一人ひとりの受給額にどう影響するのでしょうか。

来月10月15日の年金支給日まであと20日となった今回は、最新の年金額改定の内容と、多様なライフコース別に示された年金額の例について解説します。さらにはデータで示される平均的なシニア層、いわゆる「ふつうのシニア」が実際に受け取っている平均月額も年代別にご紹介します。ご自身の年金見込み額と比較しながら、前向きな老後資金計画を立てるヒントを見つけてみてはいかがでしょうか。

1. ふつうのシニア、2025年度の年金額はいくらもらえる?

公的年金の受給額は、物価や賃金の動向を踏まえて年度ごとに見直しがおこなわれます。

2025年4月からの年金額の改定について確認してみましょう。

2025年度の年金額は、前年度から1.9%引き上げられました。

1.1 2025年度の国民年金と厚生年金の年金額例

  • 国民年金(老齢基礎年金(満額):1人分):6万9308円(+1308円)
  • 厚生年金:23万2784円(夫婦2人分)(+4412円)

※昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金の満額は月額6万9108円(対前年度比+1300円)
※厚生年金は「男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)」で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準

1.2 年金支給日

公的年金は、「偶数月の15日(土日の場合は直前の平日に前倒し)」に、前月までの2カ月分がまとめて支給されるルールです。

そのため、この改定率は6月に支給された「2025年4月分・5月分」の年金から適用されています。

なお、今回の改定内容公表時、「多様なライフコースに応じた年金額」として、現役時代の働き方や収入別での年金額の例も提示されています。