6. ふつうのシニア、実態を知り「じぶんのセカンドライフ」資金計画の参考に
今回は、最新の年金額改定情報と、ライフコース別のモデルケース、さらに年代別の平均年金月額というデータで示される平均的なシニア層、いわゆる「ふつうのシニア」の実態について見てきました。
公的年金額は2025年度に1.9%引き上げられましたが、現役時代の働き方によって老後に受け取れる年金額は大きく異なり、年金格差の現実があることがデータから分かります。特に、厚生年金の加入期間が長いか短いかで、年金月額に大きな差が生じます。
平均的なシニア層の年金月額を見て「自分は大丈夫だろうか」と不安に感じることもあるかもしれません。しかし、大切なのは平均値ではなく、「自分が将来いくらもらえるのか」という個別の見込み額です。
漠然とした老後への不安を解消するためには、「ねんきんネット」や毎年届く「ねんきん定期便」を活用し、自分の年金見込み額を早めに確認することが最も重要です。今のうちから年金の見込み額を把握し、それに合わせた前向きな資金計画を立てることが、安心で豊かな老後への確かな一歩となります。
参考資料
- 厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」II 各種世帯の所得等の状況
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 日本年金機構「厚生年金保険の保険料」
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 政府広報オンライン「年金の手続。国民年金の第3号被保険者のかたへ。」
- 日本年金機構「国民年金の第3号被保険者制度のご説明」
- 厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
川勝 隆登