9月に入り、秋の涼しさが心地よい季節となりました。年末に向けて家計や資産計画を見直すには、まさに今が絶好のタイミングです。

特に注目したいのは、50歳から65歳までの15年間、毎月5万円を積み立てた場合、どれほどの資産が築けるのかという点。新NISAを活用すれば、その可能性はさらに広がります。本記事では、新NISAの仕組みやメリットを整理しながら、実際にどのくらいの資産形成が見込めるのかをシミュレーションで解説します。

秋の夜長に、将来の安心につながる資産計画を一緒に考えてみませんか。

1. 【知っておきたい】新NISAを利用する「メリット」とは?

NISA(ニーサ)は2014年に導入された資産形成を支援する制度で、2024年からは制度改正により「新NISA」として運用が始まりました。

最大の特徴は、投資によって得られた利益に課税されない点です。

通常であれば、売却益や配当金には約20%の税金が課されますが、NISAを利用すればこれらが非課税となり、利益をそのまま受け取ることができます。

新NISA「非課税」のしくみ1/3

新NISA「非課税」のしくみ

出所:金融庁「NISAを知る」

ただし、NISAには投資できる金額や対象商品に上限や制約が設けられているため、利用にあたっては事前に内容を理解しておくことが大切です。

1.1 「新NISA」の知っておきたい代表的な特徴6つ

「新NISA」の代表的な特徴として、以下の6点が挙げられます。

【新NISA】「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の特徴2/3

【新NISA】「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の特徴

出所:金融庁「NISAを知る」

  1. 非課税保有期間は無期限
  2. 「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の併用が可能
  3. 年間投資枠は、つみたて投資枠「年間120万円」・成長投資枠「年間240万円」
  4. 非課税保有限度額は1800万円(内、成長投資枠1200万円)※枠の再利用可能
  5. つみたて投資枠の投資対象商品は「長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託」
  6. 成長投資枠の対象商品は「上場株式・投資信託等」

「投資」と聞くと多額の資金が必要だと感じるかもしれませんが、実際には500円や1000円といった小さな金額から取り組める商品も数多くあります。

NISAを活用すれば、投資信託や株式でも少額から購入できるため、初心者でも始めやすいのが特徴です。

次章では、毎月積み立てを続けた場合に将来どの程度の資産が形成できるのか、そのシミュレーションを見ていきましょう。

2. 【利回り別】50歳から65歳「毎月5万円」で積立投資!資産はいくらになる?

ここでは、新NISAを利用して積立投資を行った場合に、どの程度の資産を築けるのかを試算します。

下記の前提条件を設定したうえで、利回り1%から5%のケースに分けてシミュレーションを行っていきます。

  • 50歳から65歳までの15年間で老後資金をつくる
  • 積立額は毎月5万円
  • 投資信託は「安定的な運用」を重視した1~5%の商品

2.1 【試算結果】「毎月5万円」×15年×「年1~5%」で積立投資シミュレーション

【新NISA】想定利回り別「月5万円」積立投資シミュレーション結果

【新NISA】運用利回り別「月5万円」積立投資シミュレーション結果

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」をもとにLIMO編集部作成

 

想定利回り:資産評価額(元本部分は900万円)

  • 年1%:970万6000円
  • 年2%:1048万6000円
  • 年3%:1134万9000円
  • 年4%:1230万5000円
  • 年5%:1336万4000円

15年間、毎月5万円を積み立てれば、総額で1000万円を超える資産を形成できる可能性があります。

積立元本は900万円ですが、運用成績によっては70万円から最大で436万円程度の利益が上乗せされる見込みです。

ただし、投資には常にリスクが伴い、リターンの大きい商品ほど、それに比例してリスクも高まる点を理解しておくことが重要です。

3. 【積立額別】15年間で「2000万円」を作る!毎月の積立投資額は?

老後に必要な資金は家庭の状況によって差がありますが、ここでは2000万円を目標とした場合を想定します。

50歳から65歳までの15年間でこの金額を準備するには、毎月どの程度積み立てればよいのかをシミュレーションしてみましょう。

3.1 【試算結果】「15年間」×3%で積立投資シミュレーション

【新NISA】積立金額別「想定利回り3%」積立投資シミュレーション結果

【新NISA】積立金額別「運用利回り3%」積立投資シミュレーション結果

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」をもとにLIMO編集部作成

 

毎月の積立金額:資産評価額

  • 1万円:227万円
  • 3万円:680万9000円
  • 6万円:1361万8000円
  • 9万円:2042万8000円
  • 12万円:2723万7000円

※想定利回り:年3%

試算の結果、年利3%で15年間積み立てを行うと、毎月9万円の拠出で「2000万円超」の資産形成が可能であることが示されました。

ただし、月9万円という金額は家計にとって決して小さな負担ではありません。

さらに、利回りは確定しているものではないため、想定どおりに運用できず目標額に届かないリスクも存在します。

そのため、老後資金づくりはできるだけ早期に着手することが重要です。

20歳代や30歳代から始めても早すぎることはなく、仮に30歳から65歳までの35年間、年利3%で積み立てを行えば、必要となる月々の金額は「2万6971円」となります。

このように、早めに投資をスタートし、時間を味方につけることで、毎月の負担を抑えながら資産を増やしていくことができるでしょう。

4. 【新NISAの注意事項】積立投資を続けられなくなったらどうする?

積立投資をしていると、どうしても「資産を増やす」ことに意識が集中しがちです。

しかし実際には、病気やケガ、介護といった突然の出費が想定外の形で家計を直撃することがあります。特に高齢期は医療費が増えやすく、長期入院や療養が必要になれば、これまで積み上げてきた資産を一気に取り崩すことにもなりかねません。

「投資だけを続ければ安心」という考え方では、急な支出に備えられず、結果的に積立そのものを断念してしまうリスクがあります。

だからこそ大切なのは、資産形成と医療保険を両立させること。投資で将来の資産を育てながら、保険で突然の支出に備えておけば、万が一のときも積立を続けやすくなります。

【年齢別】医療保障の備えについて準備できている人が多い3/3

【年齢別】医療保障に対する私的準備状況

出所:生命保険文化センター「令和4年 生活保障に関する調査」

5. 保険と投資を組み合わせることが大切

「保険と投資、結局どちらを優先したらいいの?」と悩む方も多いでしょう。

確かに両者はよく比較されますが、本来の性質や目的がまったく異なるため、単純に優劣をつけるのは難しいものです。

保険は加入したその瞬間から保障が始まり、もしもの事態が起きてもすぐに備えられる点が強みです。これに対して、投資は成果が出るまでに時間がかかり、長期的な視点での運用が必要となります。

つまり、短期的なリスクに対応できるのが「保険」、長期的に資産を育てるのが「投資」。この両輪をバランスよく取り入れることこそ、安定した資産形成につながるのです。

参考資料