厚生労働省の資料で、年金を受給している人の受給データを確認できます。国民年金と厚生年金の金額を確認できるため、「自分はいくらもらえるのか」を判断する際の参考にするとよいでしょう。
年金は60歳から75歳までの間で、受け取り始めるタイミングを選択できます。繰上げによる減額、繰下げによる増額の仕組みを理解し、自分にとって最適なタイミングで受け取りを開始しましょう。
1. 最新の国民年金の受給額を「60代・70代・80代」年齢別に確認
まずは、公的年金制度の一階部分にあたる国民年金の受給額を、年齢別に見ていきましょう。
1.1 60歳代
- 60歳:4万3638円
- 61歳:4万4663円
- 62歳:4万3477円
- 63歳:4万5035円
- 64歳:4万6053円
- 65歳:5万9599円
- 66歳:5万9510円
- 67歳:5万9475円
- 68歳:5万9194円
- 69歳:5万8972円
1.2 70歳代
- 70歳:5万8956円
- 71歳:5万8569円
- 72歳:5万8429円
- 73歳:5万8220円
- 74歳:5万8070円
- 75歳:5万7973円
- 76歳:5万7774円
- 77歳:5万7561円
- 78歳:5万7119円
- 79歳:5万7078円
1.3 80歳代
- 80歳:5万6736円
- 81歳:5万6487円
- 82歳:5万6351円
- 83歳:5万8112円
- 84歳:5万7879円
- 85歳:5万7693円
- 86歳:5万7685円
- 87歳:5万7244円
- 88歳:5万7076円
- 89歳:5万6796円
なお、2024年度における国民年金の満額は月額6万8000円、年に換算すると81万6000円です。
2. 最新の厚生年金の受給額を「60代・70代・80代」年齢別に確認
続いて、厚生年金の受給額を年齢別に紹介します。紹介する金額は国民年金を含んだ金額です。
2.1 60歳代
- 60歳:9万6492円
- 61歳:10万317円
- 62歳:6万3244円
- 63歳:6万5313円
- 64歳:8万1700円
- 65歳:14万5876円
- 66歳:14万8285円
- 67歳:14万9205円
- 68歳:14万7862円
- 69歳:14万5960円
2.2 70歳代
- 70歳:14万4773円
- 71歳:14万3521円
- 72歳:14万2248円
- 73歳:14万4251円
- 74歳:14万7684円
- 75歳:14万7455円
- 76歳:14万7152円
- 77歳:14万7070円
- 78歳:14万9232円
- 79歳:14万9883円
2.3 80歳代
- 80歳:15万1580円
- 81歳:15万3834円
- 82歳:15万6103円
- 83歳:15万8631円
- 84歳:16万59円
- 85歳:16万1684円
- 86歳:16万1870円
- 87歳:16万2514円
- 88歳:16万3198円
- 89歳:16万2841円
厚生年金は、厚生年金保険への加入期間が長い人や、加入中の報酬が高い人ほど受給できる金額が高くなります。
3. 年金は何歳から受け取るのが得なのか?
現行制度において、公的年金を受け取る年齢は、60歳から75歳までの間で選択できます。65歳よりも前に受け取ることを「繰上げ受給」、66歳よりもあとに繰り下げることを「繰下げ受給」といいます。
65歳よりも前に繰り上げ受給をした場合、早く受け取れるものの、1カ月あたり0.4%減額された年金額が一生涯続く点に注意が必要です。一方で、繰下げ受給をすると1カ月あたり0.7%増額された年金が一生が続きますが、年金を受け取れない「空白期間」が生じます(減額・増額ともに65歳時点での年金を基準に計算)。
減額や増額の仕組みがあるため、「年金は何歳から受け取るのがお得なのか」という議論がされます。しかし、公的年金の本質は「保険」であり、損得で判断するものではありません。
例えば、年金を受け取り始める65歳以前に亡くなってしまうと、本人は1円も受け取れずに終わります(遺族がおり、要件を満たす場合は遺族年金が支給される)。一方で、終身年金であるため、何歳まで生きていても支給されます。
損得で判断する場合、「長生きするほどお得」といえますが、そもそも自分の寿命はいつまでかは事前にわかりません。つまり、何歳から年金を受け取り始めるのが得かは、考えるだけ無駄といえるでしょう。
4. 年金を受け取り始める最適なタイミングは生き方次第
公的年金は老後生活を経済的に支えてくれる仕組みですが、昨今は70歳以降になっても働く人が増えています。「勤労収入だけで生活費はカバーできている」という状況であれば、できるだけ公的年金を繰り下げたほうが、働けなくなったときの経済的な安心感は大きいでしょう。
一方で、60歳以降に働く意思がなければ、年金を受け取り始めるまでの生活費をカバーする必要があります。カバーする方法として考えられるのは、企業年金やiDeCoの受け取り、これまで蓄えてきた貯蓄の取り崩し、資産から得られる金融所得などが考えられます。
いずれも資産状況や勤務先の福利厚生制度などによって異なるため、個人差があります。つまり、一概に「年金は何歳から受け取るのがよい」かはわかりません。
「何歳まで働く予定なのか」「退職金や企業年金があるのか」「自分の金融資産がどれくらいあるのか」をトータルで考えて、年金の受け取りタイミングを判断する必要があるといえるでしょう。
5. まとめにかえて
年金以外にも働いて収入を得たり、資産から収入を得たりする方法がありますが、老後生活をまかなう軸となる収入は公的年金です。
「何歳から受け取り始めるのが得か」と考えてしまう気持ちはわかりますが、そもそも年金は保険であるため、損得で判断すべき性質のものではありません。
「長生きリスクに備えるための保険である」という点を踏まえ、「働く期間」「保有している資産」などを加味し、自分が安心できるベストな受け取りタイミングを探りましょう。
参考資料
柴田 充輝