2. 在職老齢年金制度で「年金額」はどのくらい減額されるの?
たとえば、年金月額(基本月額)が15万円で総報酬月額相当額が30万円の場合、収入合計は45万円です。これは基準額を下回るため、年金は全額支給されます。
一方で、年金月額が15万円、総報酬月額相当額が36万円だったとしましょう。
この場合、収入合計が51万円となるため、年金は超えた分の2分の1である5000円分が減額されることになります。
2025年度からは支給停止調整額が「51万円」となるため、同条件の場合は減額されないというわけです。
生活のために働く場合、年金がカットされる可能性があることに不満を抱く方もいます。
老後も厚生年金に加入しながら働くことには、どのようなメリットがあるのでしょうか。
3. 老後も厚生年金に加入しながら働くメリット
老後生活において、年金だけで生活できるシニアはそう多くありません。
厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によると、公的年金・恩給だけで100%生活できている高齢者世帯は41.7%であり、約6割の高齢者世帯は年金以外の収入も含めて生活していることになります。
3.1 年金だけで生活する高齢者世帯の割合
- 公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%:41.7%
- 公的年金・恩給の総所得に占める割合が80%~100%未満:17.9%
- 公的年金・恩給の総所得に占める割合が60~80%未満:13.9%
- 公的年金・恩給の総所得に占める割合が40~60%未満:13.2%
- 公的年金・恩給の総所得に占める割合が20~60%未満:9.3%
- 公的年金・恩給の総所得に占める割合が20%未満:4.0%