2025年度の年金額が公表されました。
1.9%の増額になるものの、物価上昇には追いつかず、実質的な減少が続いています。
一方で、日本では定年後も働き続けるシニア層が増えています。定年退職の年齢も60歳から徐々に引き上げられており、60歳代でも働く人は少なくありません。
そんな働くシニアが意識しておきたいのが、「在職老齢年金制度」です。
厚生年金と給与の合計額が一定以上になると、年金がカットされるというこの制度。実は、2025年度もこの基準額が引き上げられることが決まっています。
詳しく見ていきましょう。
1. 働くシニアが知るべき「在職老齢年金制度」とは?
在職老齢年金制度とは、年金を受給しながら厚生年金保険に加入して働く場合、一定の収入を超えると「年金の一部または全額が支給停止」となる制度です。
給与と年金収入の合計額をもとに計算される「支給停止調整額」は、次の計算式で求められます。
- 在職老齢年金の支給月額(調整後) = 基本月額 - (基本月額 + 総報酬月額相当額 - 支給停止調整額) ÷ 2
ここでいう「基本月額」とは、加給年金額を除いた厚生年金の月額を指します。
一方、「総報酬月額相当額」とは、直近1年間の標準賞与額を12分の1に換算したものです。
2024年度の「支給停止調整額」は50万円でした。
給与と年金収入の合計が50万円を超えると、年金が減額されるという仕組みです。