3. 高額療養費制度は「ひと月あたり」で計算される
高額療養費制度における自己負担上限額は、原則として「毎月1日~月末」のひと月あたりで計算されます。
そのため、「月をまたいで入院」をした場合は、高額療養費の支給対象にならないケースが出てくるため注意が必要です。
たとえば、先述の70歳以上・年収370万円の人が20日間入院し、自己負担額が15万円になったとしましょう。
3月中に20日間入院した場合は、限度額を超えた分が高額療養費として戻ってきます。しかし、3月に8日、4月に7日と月をまたいで入院した場合、それぞれの月では自己負担上限額を超えないケースもあるでしょう。
この場合は、いずれの月も医療費の返還がありません。
同一月の自己負担額によって支給の有無が変わるという点を、押さえておきましょう。
4. 高額療養費制度は保険適用外の費用は含まれない
もう一つの注意点として、「食費」や「居住費」「差額ベッド代」「先進医療にかかる費用」などの保険適用外の費用は高額療養費の支給対象外となる点も知っておきましょう。
高額な医療費を抑える側面があるものの、保険適用外の費用まではカバーできないため、実際の入院費用は膨らむことも少なくありません。
これらの費用に備えるために、民間の医療保険等で備えるというのもひとつの考え方です。
著者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
LIMO編集部記者/編集者/元公務員
ニ種外務員資格(証券外務員ニ種)保有。小学校教諭一種免許、幼稚園教諭一種免許、特別支援学校一種免許取得。
京都教育大学卒業。株式会社モニクルリサーチが運営する、くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」のLIMO編集部において、厚生労働省管轄の公的年金制度や貯蓄、社会保障、退職金など、金融の情報を中心に執筆中。大学卒業後は教育関連企業での営業職を経て、2010年に地方自治体の公務員として入職。「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」「福祉医療」等の業務に従事した。主に国民健康保険料の賦課、保険料徴収、高額療養費制度などの給付、国民年金や国民健康保険への資格切り替え、補助金申請等の業務を担う。特に退職に伴う年金や保険の切り替えでは、手続きがもれることで不利益を被ることがないよう丁寧な窓口対応を心がけた。その後、保険代理店にてパートとしてマーケティング業務に従事。保険料比較サイトの立ち上げに参加した。乗合保険会社の商品ページだけでなく、保険の知識を普及するためのページ作成にも参加。専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト『LIMO&ファイナンス』でも記事を執筆している。京都府出身、滋賀県在住。(2026年6月26日更新)