「高額療養費制度」の自己負担額の上限引き上げについて議論が行われてきましたが、2025年2月28日の衆院予算委員会において、石破首相より一部見直す方針であると述べられました。

見直し自体は実施すると強調した上で、「一旦立ち止まる」としたものです。

野田佳彦代表の質問へ答える形で明言しました。

制度の動向に多くの国民の関心が集まるものの、そもそも「高額療養費制度」がどのような制度なのか、詳細を知らないという方もいるでしょう。

医療機関で高額な医療費を負担するとき、支えになるのが「高額療養費制度」です。

私たちの暮らしにどれほどの影響があるのか、高額療養費制度について基本的な情報を振り返りましょう。

1. 高額療養費制度とは?わかりやすく解説

高額療養費制度とは、入院や通院などで医療機関や薬局の窓口に支払った額が上限額を超えた場合、超えた金額が支給されるという制度のことです。

国民皆保険制度が導入されている日本においては誰もが何らかの健康保険に加入していますが、どの保険でも適用されます。

自己負担の上限額はケースによって異なり、たとえば70歳以上・年収370万円の人の上限額はひと月あたり「8万100円+(総医療費-26万7000)×1%」と決まっています。

わかりやすいよう、例えば病気やケガで入院した結果、総医療費が100万円になったとしましょう。

まずは窓口での自己負担が3割負担となるので、支払額は30万円となりますね。しかしこの支払はかなりの負担となります。

そこで高額療養費制度が適用され、自己負担額が「8万100円+(総医療費-26万7000)×1%=8万7430円」で済むということです。

医療費が100万円、自己負担額が30万円となるとかなりの負担に思いますが、これが8万7430円に抑えられるのであればありがたい制度といえます。

ただし、年齢や所得によって自己負担額が異なる点には注意が必要です。