帝国データバンク「「食品主要195社」価格改定動向調査 ― 2025年2月」によれば、2025年2月の飲食料品値上げは1656品目(前年同月比1.8%増)、1回あたりの平均値上げ率は月平均14%でした。

また3月は5カ月ぶりに飲食料品の値上げが2000品目を超え、4月には1年6カ月ぶりに3000品目超えの見通しであり、この春は3~4月だけでも5000品目以上の値上げとなる予定です。

特に年金暮らしの方は収入が限られており、貯蓄を大きく増やすことも難しいことが多いため、値上げによる家計への影響が大きなご家庭も多いでしょう。

2025年度の年金額改定では老齢年金が1.9%の増額となりましたが、物価高ほどは増額となっていないため厳しい家計状況は続きます。今回は65歳以上夫婦世帯に視点を当てて、貯蓄・年金月額・生活費をみていきましょう。

1. 【65歳以上・二人以上世帯】貯蓄2000万円以上の割合は?

総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)2023年(令和5年)平均結果の概要(二人以上の世帯)」によると、65歳以上の世帯主がいる二人以上世帯の平均貯蓄額以下の通り。

65歳以上の貯蓄分布。2枚目~無職夫婦世帯のシニアの生活費をまとめて見る!

1.1 65歳以上の世帯主がいる二人以上世帯の貯蓄額

  • 平均:2462万円
  • 中央値:1604万円

より実態に近い中央値は1604万円。

少し前には老後2000万円問題が話題となりましたが、65歳以上の夫婦世帯で貯蓄2000万円以上は41.2%。

半数は貯蓄が2000万円以下となっており、そのうち500万円未満は21.9%とおよそ5世帯に1世帯です。

貯蓄は生活費の切り崩しやリフォーム、旅行やレジャー、身内の付き合いなど、また病気や介護のときにも使うことができますが、心もとない世帯も少なくないようです。