公的年金の支給日は2ヶ月に1回。偶数月の15日(土日祝日の場合は直前の平日)に2ヶ月分の年金が振り込まれます。

筆者は元銀行員ですが、年金支給日のATMや預金窓口が、お金を引き出しにくるお客様でやや混雑していたことを思い出します。

老後の大切な収入源となる公的年金。個人差はありますが、厚生労働省の資料によると平均月額は国民年金が5万円台、厚生年金が14万円台となっています。

老後に向けて生活費のダウンサイジングをし、年金収入だけで十分に暮らせている世帯もあるでしょう。しかし、厚生労働省が発表した家計調査結果によると、65歳以上無職夫婦世帯の家計収支は、毎月3万4058円の赤字です。

いまのシニア世代の年金受給額は月額どのくらいなのか、データをもとに確認していきます。

1. 公的年金「国民年金・厚生年金の仕組み」

日本の公的年金制度は、「2階建て」の構造になっています。

1階部分は「国民年金」、2階部分は「厚生年金」となっています。

【写真】日本の年金制度のしくみ。2枚目以降で、「厚生年金・国民年金」の受給額をチェックする!

日本の年金制度のしくみ

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成

1.1 国民年金:1階部分

  • 加入対象:原則、日本に住む20歳から60歳までの全員
  • 年金保険料:全員定額。年度ごとに改定される(※1)
  • 老後の年金額:全期間(40年間)保険料を納めると、満額(※2)受給できる

※1:国民年金保険料:2024年度の月額1万6980円
※2:国民年金の満額:2024年度の月額6万8000円

1.2 厚生年金:2階部分

  • 加入対象:会社員や公務員、パート・アルバイトで一定要件を満たした方(※国民年金に上乗せで加入)
  • 年金保険料:給与や賞与に応じて決められる(※ただし上限あり)
  • 老後の年金額:年金加入期間と納付済保険料額で計算されるため、個人差が出やすい

原則、日本に住む20歳~60歳までのすべての人が国民年金に加入し、一定の要件を満たす人が国民年金に上乗せする形で厚生年金に加入します。

国民年金と厚生年金は上記のとおり加入対象や保険料/年金額の決定方法が異なるため、老後の年金額は個々で違いが生じることになります。

老後は、公的年金(老齢年金)による収入だけでやりくりできるのでしょうか。次章で、65歳以上無職夫婦世帯の家計収支を確認してみます。