4. 【国民年金】月額いくら受給してる?
厚生労働省の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると国民年金の平均年金月額は以下のとおりです。
〈全体〉平均年金月額:5万7584円
〈男性〉平均年金月額:5万9965円
〈女性〉平均年金月額:5万5777円
4.1 受給額ごとの人数 (合計:3345万5786人)
- 1万円未満:5万8811人
- 1万円以上~2万円未満:24万5852人
- 2万円以上~3万円未満:78万8047人
- 3万円以上~4万円未満:236万5373人
- 4万円以上~5万円未満:431万5062人
- 5万円以上~6万円未満:743万2768人
- 6万円以上~7万円未満:1597万6775人
- 7万円以上~:227万3098人
国民年金は厚生年金ほどの個人差は見られません。ただし、国民年金は保険料が一律であるため、厚生年金のように平均を大きく上回るようなことはありません。
ここで確認した年金受給額を、前述の65歳以上無職夫婦世帯の生活費と照らし合わせてみましょう。
【消費支出:25万6521円】
- 厚生年金:14万6429円
- 国民年金:5万7584円
夫婦ともに平均的な厚生年金を受給した場合、2人で合計29万2858円です。ここから税金や社会保険料が引かれることを想定すると、手取りベースでギリギリ黒字をキープできるかもしれません。
夫婦ともに平均的な国民年金を受給した場合、2人で合計11万5168円です。税金は非課税になったとしても社会保険料は引かれます。生活費をかなり抑えなければ、月10万円を超える赤字になるでしょう。
5. まとめにかえて
本記事では、65歳以上無職夫婦世帯の平均的な家計収支、年金受給額や個人差などを確認しました。
現役を引退すると、収入は大きく減ってしまいます。年金を受け取りながら働いて収入を増やすという選択肢もありますが、年齢を重ね、働くことが難しくなると頼れるのは「貯蓄」となるでしょう。
貯蓄は貯金と同義で使われることが多いですが、銀行預金などを指す貯金とは違い、貯蓄はお金を増やす目的の資産全般を指します。
利息が付く預貯金のほか、元本保証のない投資信託や株式なども貯蓄に含まれます。
将来、公的年金だけで生活費をやりくりできない場合には、この貯蓄を取り崩し補填するのが一般的といえるでしょう。
さまざまな貯蓄方法がありますので、情報収集してみてください。貯蓄方法を1つに絞る必要はありません。
預貯金、投資信託、株式、債券、保険などに分散させておく方法もあります。ご自身のライフプランやリスクに対する意向などを踏まえ、最適な貯蓄方法をみつけていけると良いでしょう。