2. 大学院終了後「違う作品を作ろう」と思い立った
普段は、陶芸作家として活躍されている投稿者の曽根さん。日本の金属工芸の一分野である「自在置物(動物や昆虫などを、体や手足を動かせるよう実写的に作る工芸品)」を、陶器で作ることで、動く陶器の表現を追及しているといいます。
そんな曽根さんに「カニの陶器を製作した経緯」を尋ねたところ、大学院を修了後に「それまでとは違う作品を作ろう」と思い立ったことを教えてくれました。
続けて、「その時に木材で自在置物を制作したという記事を見つけました。本来金属で作られる自在置物を木でも作れるのなら、陶器でも作れるのではないかと考え、製作を始めました」と話します。
曽根さんの中では「自在置物と言えば甲殻類」という認識があったことから、カニを題材にした作品を作り始めたとのことです。
3. ひとつのカニを作るのにかかる時間は「1か月」程度だという
カニの陶器の制作時間について聞くと、ひとつあたりの制作期間は1ヶ月程度だと明かす曽根さん。「題材にするカニの種類によってはこれより長くなったり短くなったりすると思います」とのことです。
なお、制作にあたってこだわった点は「関節」とのこと。なるべく実物と同じ動きができるように、意識して作っている旨を教えてくれました。
曽根さんは続けて「そしてなにより、一目見て本物と見間違える作品になるような造形を意識しているところです」と、リアルな作品になるように力を入れていると話します。
制作にあたって「もっとも苦労する点」は、焼く前の段階なのだとか。
「私の作品は二度の焼成をしてから組み立てます。しかし焼く前の状態では脆く壊れやすいため、仮組みをして完成後の状態を確認することができません。そして焼いた後だと大きな修正もできません。なので焼く前の時点で組み上げた状態を予想して作らなければなりません。それが一番苦労する部分です」と、詳しく語ってくれました。
大きな話題となった「陶器でできたカニ」には、曽根さんによるたくさんの工夫が詰まっていることが分かりますね。
陶器で作ったカニです。
— 曽根有亮 個展3/29〜4/12 シロタ画廊 (日曜休) (@Naoaki_Sone) February 18, 2025
関節を動かせるように作っています。#一瞬でも本物に見えますか pic.twitter.com/LlOCRi51Nh
4. カニの消費金額がもっとも高い都市は「鳥取市」
リアルな造形のカニが話題となったことに関連し、ここからはカニの消費金額が高い都市を紹介します。
総務省統計局「家計調査(二人以上の世帯)品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング」によると、2022年~2024年の1年平均で、「カニ」の消費金額が高い都市を見ると「鳥取市」がもっとも高く4602円。次いで「福井市」が4001円、「和歌山市」が3187円の順で高くなっています。
ちなみに「生鮮魚介」の消費金額がもっとも高い都市は「富山市」で、4万9513円となっています。次いで「神戸市」の4万5858円、「東京都区部」の4万5355円となっています。
いかがでしょうか。今回は、Xで話題になっている陶器で作られた「リアルなカニ」を紹介しました。
投稿主の「@Naoaki_Sone」さんは、今回ご紹介した写真のほかにもXで、制作の様子や素敵な作品の写真を投稿されています。また3月29日より個展を開催するそうなので、気になる方はぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。
参考資料
小野田 裕太