国民年金保険料を納付している方の中には、「保険料が高い」と感じている方もいるのではないでしょうか。実際に、保険料は年々引き上げられており、2025年度は1万7510円になることが決まりました。

国民年金保険料を納付していれば、老後に年金が受給できたり、条件に該当すれば障害年金や遺族年金が受給できたりするメリットがありますが、保険料の納付負担はできれば軽減したいものです。

そのような場合に活用できる保険料の「前納制度」や、万が一納付できない場合の「保険料の免除・猶予制度」について解説していきます。

1. 2025年度の国民年金保険料は1万7510円に

厚生労働省が発表した「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」によると、2025年度の国民年金保険料は、2024年度の1万6980円から530円増額し、1万7510円となります。

【写真全4枚中1枚目】2025年度の国民年金保険料、2枚目では、保険料の変遷をチェック!1/4

2025年度の国民年金保険料

出所:厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」

2026年度にはさらに410円引き上げられ、1万7920円になります。

日本年金機構の「国民年金保険料の変遷」を見ると、国民年金保険料はこれまで少額ずつ引き上げられてきました。

1992年(平成4年)度までは1万円以下でしたが、1993年(平成5年)度からは1万円を超え、1998年(平成10年)度には1万3000円を超えています。

国民年金保険料の変遷2/4

国民年金保険料の変遷

出所:日本年金機構「国民年金保険料の変遷」

さらに、2016年(平成28年)度には1万6000円を超え、2025年度からは1万7000円を超えることになるのです。

2. 前納制度を利用すれば払込保険料が割引される

2025年度からの国民年金保険料は、月額1万7510円なので、年間で21万120円を納付しなければなりません。納付負担を少しでも軽くするためには、「前納制度」を利用するのがおすすめです。

2.1 国民年金保険料の前納制度とは

国民年金保険料の前納制度とは、国民年金保険料を一定期間分まとめて納付する制度です。まとめて前払いすると割引が適用されるので、保険料の納付負担を軽減できます。

前納するには専用の納付書が必要なため、手元にない場合は年金事務所に問い合わせてください。

2.2 2025年度の国民年金保険料の前納額

2025年度の国民年金保険料を、6カ月・1年・2年前納した場合の金額と割引額を下表にまとめました。

国民年金保険料の前納3/4

国民年金保険料の前納

出所:厚生労働省「令和7年度における国民年金保険料の前納額について」をもとに筆者作成

現金納付よりも口座振替の方が割引額が多くなっています。

口座振替で6カ月前納する場合は、毎月納付する場合と比べて1190円割引され、1年前納する場合は4400円割引になります。2年前納では1万7010円の割引となり、1カ月分の保険料(1万7510円)と同額程度お得になります。

まとまったお金が用意できる方は、前納制度を利用すると保険料を安くすることが可能です。

3. 国民年金保険料が払えないときは

国民年金保険料は年々引き上げられており、納付が難しいという方もいるでしょう。その場合は、未納のまま放置せず保険料の免除や納付猶予の手続きを忘れずにとるようにしてください。

「保険料免除制度」は、本人をはじめ世帯主や配偶者の前年所得が一定金額以下の場合や、失業した場合などで、国民年金保険料を納付することが難しいときに、保険料の納付が免除される制度です。

また、「保険料納付猶予制度」は、20歳以上50歳未満で、本人・配偶者の前年所得が一定金額以下の場合に、保険料の納付が猶予される制度です。

免除には、全額免除・4分の3免除・半額免除・4分の1免除の4つがあり、種類や適用期間により将来受給できる年金額が減額されます。なお、猶予の場合は年金額に反映されません。

国民年金保険料納付猶予制度4/4

国民年金保険料納付猶予制度

出所:日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」をもとに筆者作成

保険料を全額免除した期間の年金額は、保険料を全額納付した場合の年金額の2分の1の金額に、4分の3免除の期間は8分の5、半額免除の期間は8分の6,4分の1免除の期間は8分の2の金額になります。

年金額が減額されると老後の生活に大きな影響が出るため、保険料が納付できるようになった際には、保険料を追納することをおすすめします。

追納が承認された月の前10年以内であれば、保険料を後から納付することで年金受給額を増やすことが可能です。

4. まとめにかえて

2025年度の国民年金保険料は、2024年度の1万6980円から530円増額し、1万7510円となります。保険料は年々引き上げられる傾向にあり、2026年度はさらに増額される予定です。

まとまったお金が用意できる方は前納制度を利用して、保険料を安くすることが可能です。

経済的に納付が難しい方は、免除や猶予制度の手続きをすれば保険料の納付負担が軽くなります。そして、納付ができるようになった際には追納し、老後に受給できる年金額を少しでも増やしておきましょう。

参考資料