3.2 【厚生年金を受け取る人】ゆとりのある生活を目指すには?

厚生年金に加入している人は、配偶者が老齢基礎年金のみを受け取る場合であっても、世帯で20万円以上を受け取る可能性が高そうです。

また、厚生年金に加入している共働き世帯も、最低限の生活費は確保できる場合がほとんどでしょう。ただし、厚生年金に加入していた期間や給与・賞与額によっては、受給額が平均月額を下回る可能性もあります。ねんきん定期便などで将来の受取額について、よく確認しておきましょう。

厚生年金に加入している世帯は最低限の生活費を確保できる可能性が高いので、ゆとりのある老後生活(※)を目指す場合でシミュレーションしてみます。

※ゆとりある老後生活費は平均37.9万円(生命保険文化センター/リスクに備えるための生活設計

【目標金額2500万円・想定利回り4%で積立額をシミュレーション】

※約2500万円=(ゆとりある老後生活費(37.9万円)ー厚生年金男女平均月額(27万3806円))×12か月×老後期間20年

  • 30年積み立てる場合:毎月の積立額3.6万円
  • 20年積み立てる場合:毎月の積立額6.9万円
  • 10年積み立てる場合:毎月の積立額17.0万円

30年積み立てる場合、35歳から毎月3.6万円を積立投資すれば、65歳には2500万円を目指せる計算になります。

一方、50歳代になって2500万円を目指すのは、運用期間が短い分、難しいかもしれません。

老後を目前に控えた時期は、リスクが高い商品は避けた方が安心です。利回りを高くするより、目標金額を下げたりして、積立投資を継続することをおすすめします。

4. 年金を増やす方法はさまざま、自分に合った方法を選ぶことが大切

積立投資をおこなうなら、iDeCoやNISAを利用すれば、より有利な条件で資産形成ができます。税制優遇を活かしつつ、効率的に老後のお金の準備を進めることができるでしょう。

また、年金そのものを増やす方法もあります。自営業の方は付加年金や国民年金基金などに加入すれば、年金額を増やすことも可能です。

年金の繰下げ受給も年金を増額する方法のひとつです。繰下げ受給を利用する場合、年金を受給するまでの生活費を確保しておくようにしましょう。

仕事を継続する方、ある程度の資産形成ができている方、老後のお金のシュミレーションができている人は、利用を検討してもよいかもしれません。

受け取りを遅くすれば、それだけ受給期間が短くなります。このことも踏まえて、自分に合った方法で老後の資産形成を考えることが大切です。

参考資料