3. 年金額を「20万円」にするには?積立金額をシミュレーション

冒頭でお伝えしたように、夫婦二人で老後生活に必要と考える最低日常生活費は23.2万円です。

厚生年金の平均受給額は15万円弱ですから、夫婦両方が厚生年金に加入している場合や、夫婦のいずれかが厚生年金に加入し、配偶者が老齢基礎年金のみを受け取る場合(※)は、20万円以上の年金を受け取れそうです。※平均的な収入で40年間勤務し、老齢基礎年金は満額受け取る場合

一方、自営業やフリーランスの方で厚生年金に加入したことがなければ、老後に受け取る年金は老齢基礎年金のみになります。7万円弱の年金額のみで老後生活を営むのは、やや心許ないかもしれません。

預貯金額が少ない人、老後のお金を準備していない人は、老後の生活費を確保するため、早めに資産形成をおこなう必要がありそうです。

3.1 【老齢基礎年金のみを受け取る人】月20万円を目指すには?

老齢基礎年金は満額で月額6万8000円(令和6年度)が受け取れます。満額で受け取れれば、夫婦ふたりの年金額は約14万円なので、ひと月の収入が20万円以上になるには、月当たり約6万円が必要です。

仮に老後の期間を65歳から85歳までとすると、必要な金額は1440万円です。目標金額を1500万円として、毎月いくら積み立てればよいか、シミュレーションしてみましょう。

【目標金額1500万円・想定利回り4%で毎月の積立額をシミュレーション】

  • 30年積み立てる場合:毎月の積立額2.2万円
  • 20年積み立てる場合:毎月の積立額4.1万円
  • 10年積み立てる場合:毎月の積立額10.2万円

早めに積み立てをスタートすれば、月2.2万円の積み立てで1500万円を目指すことができます。想定利回り4%を得るためには、バランスファンドなどの投資信託を利用することを想定しています。

4%は投資信託のなかでは、決して高い利回りではありません。バランスファンドなどで運用すれば、十分目指せる利回りです。

たとえば、私たちの年金はGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)によって、2001年以降、年率約4.4%で運用されています。現時点でのポートフォリオは海外株式、国内株式、海外債券、海外株式は25%ずつ、分散投資されています。

ポートフォリオのリバランスなど、自分で資産管理ができる人は、このようなポートフォリオを参考にしてみるのも一案です。