2024年12月分の消費者物価指数(総合指数)は前年同月比で3.6%上昇し、家計への影響が一段と大きくなっています。

物価や賃金の上昇を踏まえて年金額も改定されていますが、将来の年金給付水準を維持するための「マクロ経済スライド」により、実質的には目減りしているのが現状です。

こうした状況の中で、暮らし向きに「ゆとりがなくなってきた」と感じる方が増え、将来への不安も高まっています。

今回は、現在の60~89歳の方々がどのくらいの年金を受け取っているのか、平均月額を確認していきます。

また、日本の公的年金制度の仕組みについても改めておさらいしましょう。

1. 全体の57.1%が暮らし向きに「ゆとりがなくなってきた」と回答

日本銀行が2025年1月17日に公表した「生活意識に関するアンケート調査」(第100回<2024年12月調査>)の結果によると、1年前に比べた現在の暮らし向きについて「ゆとりがなくなってきた」と回答した方の割合が57.1%に上ります。

また、1年前と比べて「支出が増えた」と回答した方が59.1%に上り、物価高や税負担の増加などの影響が如実に表れています。