5. 給与天引きされる税金や保険料、どれくらい払ってる?

給与天引きされる税金や保険料、どれくらい払ってる?

給与天引きされる税金や保険料、どれくらい払ってる?

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健康保険料以外にも給与から天引きされるお金がいくつかあります。どのくらい払っているのか、計算方法を確認してみましょう。

5.1 所得税・住民税

所得税は、その年の所得金額に応じて5%~45%の税金が課税されます。

たとえば、課税される所得金額が330万円から694万9000円までの場合、税率は20%となります。所得額が600万円なら、600万円×0.2ー42万7500円(控除額)となり、税額は77万2500円です。

2037年(令和19年)までは、復興特別所得税(原則としてその年分の基準所得税額の2.1%)を併せて納付することとなります。

5.2 厚生年金保険料

厚生年金の保険料率は、平成29年9月以降18.3%で固定されており、標準報酬月額や標準賞与額に18.3%を掛けて計算されます。

たとえば標準報酬月額が30万円の場合、30万円×18.3%で5万4900円が保険料になります。健康保険料と同様に、事業主と折半した金額が天引きされるため、この半分の2万7450円が給与から天引きされます。

5.3 雇用保険料

2025年度の雇用保険料の料率も、2024年度から変更になる予定です。

失業等給付等の保険料率は、労働者負担・事業主負担ともに5.5/1000(農林水産・清酒製造の事業及び建設の事業は6.5/1000)です。

例えば一般事業で働く月収30万円の人の場合、負担額は1650円になります。

6. まとめにかえて

今回は、協会けんぽの保険料率改定について、料率が上がる県、下がる県についてお伝えしました。

協会けんぽの場合、料率の改定は毎年おこなわれるため、手取り額にも影響を与えます。

料率の変動幅はそれほど大きいものではありませんが、給与が高いと支払う保険料も高くなるので、手取り額の変動をより感じやすいかもしれません。

また、天引きされるお金は健康保険料以外にもあります。実際の手取り額はこれらの変動にも左右されることになるでしょう。

税率や社会保険料率が上昇したり、たとえば2024年から徴収されている森林環境税のように、新たな税金の負担が増えると、天引きされるお金は増えています。

給与から毎月自動的に引かれるため、確認することを忘れてしまう方もいらっしゃいますが、あらためて見ると、引かれている額の大きさに驚かれることもしばしばです。

何にいくら支払っているか確認することは、お金に対する意識を高めるためにも大切な作業です。しばらく確認していない方は、この機会にぜひチェックしてみてください。

参考資料