2. 生活保護を受けていても公的年金は受給できる?
生活保護を受けていても、公的年金は受給可能です。ただし、生活保護費として支給される金額は、最低生活費から年金収入や就労収入等を差し引いた金額です。
生活保護を受けるには、以下の4点をすべて満たす必要があります。
- 資産の活用:預貯金や生活に利用されていない土地・家屋などがあれば売却して生活費に充てること。
- 能力の活用:働ける場合は、能力に応じて労働すること。
- あらゆるものの活用:年金や手当など他の制度で給付を受けられる際は、それらを優先して活用すること。
- 扶養義務者の扶養:親族などから援助を受けられる際は、援助を受けること。それでもなお収入が最低生活費に満たない場合は、保護を適用する。
年金給付が受けられる場合、生活保護の扶助を受けるよりも年金受給が優先されます。年金を受給してもなお最低生活費に満たない場合に、はじめて生活保護を受けられるのです。
そのため、生活保護を受けているからといって年金がカットされたり停止されたりする心配はありません。
このほか、生活保護を受けるには、不要な資産はすべて売却し生活費に充てる必要があります。また、働けるなら労働して収入を得るよう決められています。
もし親族から金銭援助を受けられるなら、優先されるのは生活保護ではなく援助です。親族からの援助があってもなお最低生活費に満たないのであれば、扶助を受けることになります。
次章では、生活保護の受給世帯割合について解説します。