3.2 厚生年金(基礎年金含む)

厚生年金(基礎年金含む)の平均受給額は、以下のとおりです。

老齢年金の平均受給額【厚生年金】

老齢年金の平均受給額【厚生年金】

出所:厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに筆者作成

  • 男性:16万6606円
  • 女性:10万7200円
  • 平均:14万6429円

厚生年金の平均受給額は14万6429円で、年間175万7148円と400万円以下です。確定給付企業年金の平均年額62万6000円を合わせても238万3148円のため、ほとんどの人は確定申告が不要となります。

年金年収が400万円を超えるのは、受給金額が月額33万3333円超のときです。30万円以上の厚生年金を受給しているのは1万4292人と全体の0.09%に過ぎません。

受給額が30万円〜33万3333円までであれば年収が400万円を超えないため、実際に年金収入のみで確定申告が必要な人はさらに少ないと推測されます。

ただし、個人年金保険や生命共済で受給できる年金は、公的年金等に含まれません。そのため、個人年金保険や生命共済の年金は通常の雑所得となります。

所得が20万円を超えれば確定申告が必要となるため、人によっては毎年のように確定申告をしなければならない場合もあるでしょう。

4. 確定申告の準備は早めに

会社員や公務員だった人は、これまで年末調整で所得税額が決定していました。年金を受給することになって初めて確定申告をするという人もいるでしょう。

確定申告の手続きは初めてする場合や久しぶりにする場合には、想定以上の時間がかかるものです。今のうちから早めに準備して、スムーズに申告できるようにしておくとよいでしょう。

参考資料

石上 ユウキ