現在、厚生年金を受給している60歳以上のシニアは、およそ1600万人。

そのうち、約1060万人が男性で、全体の66%を占めます。

そこで今回の記事では、シニア男性が受け取っている厚生年金の平均受給額についてお伝えします。とくに、月額15万円以上受け取っているシニア男性の割合について確認してみましょう。

※以降の厚生年金の平均受給額等は、とくに言及がない限り、老齢基礎年金を含む月額です。

1. 厚生年金「月額15万円」を超えるシニア男性は多い?少ない?

1.1 厚生年金「月額15万円」を超えるシニア男性は約67%

厚生労働省のデータ(令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況)によると、月額15万円以上を受け取っている男性は約708万人です。

厚生年金を受給している男性(約1060万人)の中では、約67%を占めることから、7割近くの方が月額15万円以上の年金を受け取っていることがわかります。

一方、女性の厚生年金受給者を含めた全体(約1600万人)からすると、厚生年金の受給額が15万円以上の男性は全体の約44%になります。

また、男女合わせた厚生年金の平均受給額は14万6429円ですが、男性のみの平均受給額は16万6606万円です。

受給額の水準として「月額15万」は、男女合わせた全体の厚生年金平均受給額とほぼ同じですが、男性のみの平均受給額で比較すると、やや少ないかもしれません。

1.2 厚生年金の平均受給額、女性は「10万7200円」男性より6万円ほど低い

ひと昔前は結婚すると仕事を辞める方も多く、必然的に厚生年金の加入期間が短くなりました。このことが年金受給額が低い要因のひとつとして考えられます。

2025年の女性の就業者数は3082万人となり、2015年の2764万人と比較すると300万人ほど増加しています。この間、男性の就業者数は、ほぼ横ばいで、2025年では3699万人となっています。就業者数に関しては、男女差が徐々に縮小しています。

女性の労働人口が増え、厚生年金保険料を支払う人数が多くなれば、年金受給額の平均がアップするほか、年金保険料収入が増加し、年金財政へのよい影響も期待できるかもしれません。