「AI」がキーワードになっている次世代PCですが、一般ユーザーにはどう役に立つのか分かりにくいのが正直なところです。Dynabook株式会社は2025年1月23日に独自のエッジAI機能で分かりやすくメリットを示した新製品「dynabook XP9」を発表しました。
同日に開催された発表会で示された情報や登壇者のコメントから、DynabookのAIに対する姿勢とdynabook XP9の魅力を紹介します。
2025年1月23日にDynabookが発表したCopilot+PC「dynabook XP9」1/4
出所:Dynabook株式会社
1. 【AIがPCにもたらす新しい価値】dynabook XP9は最高峰のCopilot+PC
直近のPC市場では、Microsoftが開発したAIアシスタント「Copilot(コパイロット)」を搭載したマシンが多く登場してきています。それらは「Copilot+PC」と呼ばれており、従来を上回る生産性をもたらすとして注目を集めています。
dynabook XP9は同社ブランドにおけるフラグシップモデルで、Copilot+PCとしても現時点における最高のパフォーマンスを追求したモデルでもあります。ハードウェアのスペックにこだわっているのはもちろん、ソフトウェアでもAIの真価を発揮する独自機能を盛り込んでいるのが特徴です。
国内PC事業本部・国内マーケティング本部の杉野文則本部長は「直近1年でAIは大きく進化したが、エッジAIの成長はこれから」と次世代PCの現在地点について説明。クラウドではなく、マシンの内部で情報を処理するエッジAIが実現する可能性について期待感を語りました。
国内PC事業本部・国内マーケティング本部の杉野文則本部長2/4
筆者撮影
2. 【AIがPCにもたらす新しい価値】dynabook XP9はセルフ交換バッテリーを採用
まずは、dynabook XP9のハードウェアとしての性能を解説していきます。同PCは14型のノングレアWUXGAディスプレイを搭載することで十分な作業環境を確保しつつ、重量は1kg未満という軽量ボディを実現しています。
CPUにはインテル Core Ultraプロセッサー(シリーズ2)を採用。高負荷のAI処理をスムーズに行える十分なパワーを持たせました。また、強力なCPUに独自の冷却技術である「dynabookエンパワーテクノロジー」を掛け合わせ、パフォーマンスを最大限に引き出せるようにしています。
ハイパフォーマンスを実現するための工夫を凝らしたdynabook XP93/4
筆者撮影
ユニークなのが、バッテリーを自分で交換可能な「セルフ交換バッテリー方式」を採用している点です。理由はエッジAIはクラウドではなくマシン内で処理を実行するため、マシン自体を交換することが、これまで以上にデメリットになるためです。杉野本部長も「エッジAIはマシン自体を継続して使用することが重要」と指摘しています。
セルフ交換バッテリー方式を採用し、マシン寿命が長くなるように設計されている4/4
筆者撮影
3. 【AIがPCにもたらす新しい価値】メリットが明確な4つのエッジAIによる独自機能
次にdynabook XP9の大きな売りとなっているソフトウェアにおける特徴を紹介します。それぞれエッジAIならではの強みを生かした独自機能で以下の4つで構成されます。
- ローカル生成AIチャットボット
- 高度なバッテリー管理
- 顔検知プライバシー保護
- 遠隔ハンド操作
それぞれどのような機能なのか、説明します。
3.1 ローカル生成AIチャットボット(dynabook Aアシスタント)
AIサービスをビジネスで利用するときにネックになっているのが、情報をネットワークにあげなければいけない点です。機密情報などは規定で許可されていないケースが多く、便利な要約や翻訳機能を使えないという声はよく聞かれます。
一方、dynabook XP9のローカル生成AIチャットボットは、ローカルで完結しているため、機密情報であっても高いセキュリティ環境下で翻訳や要約を実行でき、情報漏洩などのリスクを低減できます。
また、Windowsの設定方法などテクニカルなサポートについてもAIがチャット形式で回答してくれるなど、即座に幅広いアシストを受けることができるのもメリットです。AIが会話ができるバーチャルキャラクターを作成するなど、無機質ではない機能もうれしいポイントといえます。
3.2 高度なバッテリー管理(AIパワーオプティマイズ)
コロナ禍を経て働き方が変わったときに、ユーザーからの不満で上がってきた声として多かったのが、「オンラインミーティングをするとバッテリーの減りが早くなる」ということでした。そのために、ACアダプターを常に携帯したり、充電場所を探したり、不便が発生していたため、今回のエッジAIではバッテリー管理に特化した機能も搭載しています。
具体的にはオンラインミーティングをAIが自動で検知し、最適化することでバッテリーを長持ちさせます。使用状況によって前後するものの、同社は本機能を使うことでdynabook XP9であれば「8時間連続でオンラインミーティングすることも可能」としています。
3.3 顔検知プライバシー保護(AIプライバシーアシスト)
PCを自宅や外出先で利用するときには、情報をのぞき見されないかという懸念があります。別売でプライバシーシートなどを活用する手もありますが、dynabook XP9ではよりスマートにAIによってこの問題を解決しています。
機能としては、AIがのぞき見を検知し、画面上部にアラートバーで警告するというものです。また、簡単な操作で表示画面をブロックすることもできるようにしています。作業を中断させないために、いかにさりげなくユーザーに伝えるかという部分にこだわったとのことです。
3.4 遠隔ハンド操作(AIハンドコントロール)
手が濡れていたり、汚れていたりするとき、PCのキーボードやタッチパッドには極力触りたくないものです。そんなときに便利なのが、離れた場所からジェスチャーでPCを操作するAIハンドコントロールです。
ハンドサインは再生/一時停止、コンテンツ送り、早送り、巻き戻しの4種類。エッジAIを活用することで、シンプルなサインでも高精度で指示通りに動くようになったそうです。ビジネスにおいても、プライベートにおいても、使えそうな汎用性の高い機能といえそうです。
4. 【AIがPCにもたらす新しい価値】dynabook XP9の価格・発売日は?
dynabook XPの店頭予想価格は税込29万円台前半。25年4月に発売される予定です。フラッグシップモデルということもあり価格もプレミアムですが、「次世代PCの性能をいち早く体験したい」「AIの力で生産性を上げたい」という方には最適な選択肢になりそうです。
また、エッジAIに注力したモデルということもあり、セキュリティにおいてはとりわけ既存PCと差別化が図られています。機密性の高い情報を個人PCで扱うという方にとっては、現時点で他に替えが効かない相棒になってくれるでしょう。
参考資料
大蔵 大輔