3. 制度対象者でも確定申告が必要な方
確定申告不要でも、以下に該当する方は確定申告を通じて所得税の還付が受けられる場合があります。
- マイホームを住宅ローンなどで取得した場合(住宅ローン控除)
- 一定額以上の医療費を支払った場合(医療費控除・セルフメディケーション税制)
- 災害や盗難にあった場合(雑損控除)
例えば、自分や家族の医療費を年間で50万円支払った場合、どの程度の還付を受けられるかシミュレーションしてみましょう。
医療費控除の金額は「実際に支払った医療費の合計額-10万円(その年の総所得金額等が200万円未満の場合は総所得金額等の5%の金額」です。
雑所得が120万円と仮定した場合、受けられる医療費控除は「50万円- (120万円×5%)=44万円」です。44万円が課税所得から控除されるため、適用される税率をかければ還付額を計算できます。
課税所得が194万9999円までの場合、適用される税率は5%です。この場合、「44万円×5%=2万2000円」が還付額となります(特別復興所得税は考慮せず)。
4. まとめにかえて
「令和6年分 公的年金等の源泉徴収票」は確定申告で必要です。確定申告をする予定がある方は大切に保管しましょう。
確定申告不要制度により多くの年金受給者は確定申告が不要と考えられますが、昨今は働く高齢者の方が増えています。
また、確定申告が不要でも、控除の申告を通じて還付を受けられるケースがあります。数万円の還付を受けられることもあるため、利用できる控除があるか確認してみてください。
参考資料
- 日本年金機構「「令和6年分公的年金等の源泉徴収票」の送付について」
- 日本年金機構「令和6年分 公的年金等の源泉徴収票」
- 政府広報オンライン「ご存じですか?年金受給者の確定申告不要制度」
- 内閣府「令和6年版高齢社会白書」
- 国税庁「医療費控除を受ける方へ」
- 国税庁「No.2260 所得税の税率」
柴田 充輝