2025年2月5日、厚生労働省が公表した「生活保護の被保護者調査(令和6年11月分概数)の結果を公表します」によると、生活保護の申請件数は前年同月比で1.6%の増加となっています。昨今の物価高などの影響で生活が苦しく、生活保護を申請する方は増えているようです。
物価高の影響は家計に響くもの。それは現役世代の方はもちろん、年金生活をされる方も同じでしょう。
4月分から年金額は増額されますが、物価高で増額も実質的には目減りとなっており、今年も物価高が続いていることを考えると家計の厳しさは増しています。
今回は2025年度の年額と年金支給日、またみなさんの平均的な年金月額をみていきましょう。
1. 【2025年度の年金額増額】いくら変わる?国民年金と厚生年金を確認
2025年1月、厚生労働省は2025年度(令和7年度)の年金額を、前年度より1.9%引き上げることを公表しました。
1.1 2025年度の国民年金と厚生年金の年金額例
- 国民年金(老齢基礎年金(満額)):6万9308円(+1308円)
- 厚生年金:23万2784円(夫婦2人分)(+4412円)
※昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金の満額は月額6万9108円(対前年度比+1300円)
※厚生年金は「男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)」で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準
国民年金の満額は6万9308円。一方で厚生年金の標準夫婦は23万2784円です。
3年連続のプラス改定にはなりましたが、「マクロ経済スライド(※)」によって物価上昇率を下回る改定率となっており、実質的には年金額は目減りしています。物価上昇に年金額が追い付けていないのです。
※マクロ調整スライドとは:「公的年金被保険者(年金保険料を払う現役世代の数)の変動」と「平均余命の伸び」に基づいて設定される「スライド調整率」を用いて、その分を賃金と物価の変動がプラスとなる場合に改定率から控除するしくみ
またシニアの多くは、下記の税や社会保険料を老齢年金からの天引きで納めています。
- 介護保険料
- 公的医療保険(国民健康保険・後期高齢者医療制度)の保険料
- 個人住民税および森林環境税
- 所得税および復興特別所得税
年金見込み額は「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認できますが、年金は「額面通りにはもらえない」点は意外な盲点かもしれません。