3.2 高年齢求職者給付金
高年齢求職者給付金は、65歳以上の人が離職後に再就職を希望する場合に受け取れる給付金です。
現役時に「雇用保険」に加入していた人は、離職後に「基本手当」を受け取りますが、65歳以降は基本手当の代わりに「高年齢求職者給付金」が支給されます。
つまり、高年齢求職者給付金は、シニアの失業手当のようなもので、年金を受け取りながら給付金も支給されるため、余裕を持って新しい仕事を探すことができます。
さらに、高年齢求職者給付金は、要件を満たしていれば「何度でも受給可能」というメリットもあります。
高年齢求職者給付金の給付額は、被保険者であった期間に応じて、以下の表に示す日数分の「基本手当日額」に相当する額となります。
- 被保険者期間1年未満:基本手当日額の「30日分」が支給
- 被保険者期間1年以上:基本手当日額の「50日分」が支給
たとえば、1年以上雇用保険に加入していた場合、50日分の基本手当を受け取ることができます。
基本手当日額は、原則として離職する「直前6か月間に支払われた賃金」を基に計算され、その1日当たりの賃金額の45%〜80%が支給されます。
ただし失業したシニア全員が高年齢求職者給付金を受け取れるわけではなく、受け取るためには条件を満たしている必要があります。
詳細な要件が知りたい方はハローワークに問い合わせると良いでしょう。
4. 要件に該当する給付制度がないか確認してみよう
本記事では、シニア世代が知っておくべき「国からもらえる申請が必要な給付制度」について解説していきました。
今回は、国から受け取れる給付制度の一例を紹介しましたが、自治体が実施している制度も含めると、まだ多くの支援制度があります。
ご自身の世帯状況に合った給付制度がないか、今一度確認してみることをおすすめします。
参考資料
- 内閣府特命担当⼤⾂(経済財政政策)「国⺠の安⼼・安全と持続的な成⻑に向けた総合経済対策」
- 厚生労働省「「年金生活者支援給付金制度」について」
- 日本年金機構「加給年金額と振替加算」
- 生命保険文化センター「高額療養費制度について知りたい」
- 生命保険文化センター「公的介護保険で自己負担額が高額になった場合の軽減措置とは?」
- 厚生労働省「離職されたみなさまへ <高年齢求職者給付金のご案内>」
- 厚生労働省「Q&A~高年齢雇用継続給付~(Q8)」
- ハローワークインターネットサービス「雇用継続給付」
- 厚生労働省「令和7年4月1日から高年齢雇用継続給付の支給率を変更します」
- 厚生労働省「高額医療・高額介護合算療養費制度について」
和田 直子