3. 【貯蓄額の中央値が減少傾向】まとまった資産を持っている人が増えている表れ

平均額が増加している一方、中央値が減少している背景として、高額の貯蓄を持つ人の割合が増加していることが考えられます。

実際に、前述の調査で「3000万円以上の資産を持つ」と答えた人の割合の推移を見てみましょう。

貯蓄3000万円以上の割合(%)

貯蓄3000万円以上の割合(%)

出所:J-FREC 金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」をもとにLIMO編集部作成

  • 2004年 :8.1%
  • 2010年:10.1%
  • 2015年:10.6%
  • 2020年:13.3%
  • 2024年:12.2%
     

3000万円以上の資産を持つ人の割合は2004年で8.1%でしたが、2024年には12.2%まで増加しており、まとまった資産を持つ人の割合が増えていることが分かります。

しかし、全体の貯蓄額が底上げされたわけではなく、多くの貯蓄を持つ人が増えている一方で、貯蓄額が少ない人も増えているようです。

下記のデータは、「保有額が100万円未満」と答えた人の割合の推移です。

貯蓄100万円未満の割合(%)

貯蓄100万円未満の割合(%)

出所:J-FREC 金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」をもとにLIMO編集部作成

  • 2004年 :4.3%
  • 2010年:5.5%
  • 2015年:3.0%
  • 2020年:6.1%
  • 2024年:9.1%

2004年には4.3%だった数字が2024年には9.1%となっており、金融資産が100万円未満の世帯はこの20年で2倍以上になっていることが分かります。