2025年を迎えて1ヶ月が経とうとしています。

新年の抱負として、「今年は貯蓄を頑張るぞ」という目標を立てた方も多いのではないでしょうか。

貯蓄に取り組むときに気になるのが、「周りはどれくらい貯めてるのだろう?」ということです。

お金のことは親しい友人との間でもなかなか話しにくく、「どれくらい貯めていれば安心なのか分からない」という方も少なくありません。

この記事では、過去20年のデータをもとに、貯蓄額の推移について解説します。後半では、貯蓄の在り方の変化についても紹介しますので、計画的に貯蓄へ取り組む際のひとつの参考にしてください。

1. 過去20年で貯蓄の平均額は大きく増加している

金融経済教育推進機構が公表している「家計の金融行動に関する世論調査」によると、過去20年における金融資産保有額の平均額の推移は下記の通りです。

  • 2004年:1052万円
  • 2010年:1169万円
  • 2015年:1209万円
  • 2020年:1436万円
  • 2024年:1374万円


2004年には1052万円だった平均額は、その後およそ右肩上がりに増加し、2024年には1374万円となっています。

過去20年で約300万円増加しており、より潤沢な資産を持つようになった印象を受けるかもしれません。

しかし、あわせて中央値の推移を見てみると、その様子は少し変わります。

2. 一方、中央値は減少傾向にある

前述の資料によると、過去20年における金融資産保有額の中央値の推移は過去の通りです。

貯蓄額中央値の推移2/5

貯蓄額中央値の推移

出所:J-FREC 金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」をもとにLIMO編集部作成

  • 2004年:478万円
  • 2010年:500万円
  • 2015年:400万円
  • 2020年:650万円
  • 2024年:350万円


2004年に478万円だった中央値は20年間で増減を繰り返しながら、2024年には350万円となっています。

20年前と比較すると約100万円減少しており、平均額が増加している一方で中央値は減少している状況です。

これにはどのような要因があるのでしょうか。続いての章でくわしく考えてみましょう。

3. 【貯蓄額の中央値が減少傾向】まとまった資産を持っている人が増えている表れ

平均額が増加している一方、中央値が減少している背景として、高額の貯蓄を持つ人の割合が増加していることが考えられます。

実際に、前述の調査で「3000万円以上の資産を持つ」と答えた人の割合の推移を見てみましょう。

貯蓄3000万円以上の割合(%)3/5

貯蓄3000万円以上の割合(%)

出所:J-FREC 金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」をもとにLIMO編集部作成

  • 2004年 :8.1%
  • 2010年:10.1%
  • 2015年:10.6%
  • 2020年:13.3%
  • 2024年:12.2%
     

3000万円以上の資産を持つ人の割合は2004年で8.1%でしたが、2024年には12.2%まで増加しており、まとまった資産を持つ人の割合が増えていることが分かります。

しかし、全体の貯蓄額が底上げされたわけではなく、多くの貯蓄を持つ人が増えている一方で、貯蓄額が少ない人も増えているようです。

下記のデータは、「保有額が100万円未満」と答えた人の割合の推移です。

貯蓄100万円未満の割合(%)4/5

貯蓄100万円未満の割合(%)

出所:J-FREC 金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」をもとにLIMO編集部作成

  • 2004年 :4.3%
  • 2010年:5.5%
  • 2015年:3.0%
  • 2020年:6.1%
  • 2024年:9.1%

2004年には4.3%だった数字が2024年には9.1%となっており、金融資産が100万円未満の世帯はこの20年で2倍以上になっていることが分かります。

4. 資産を増やす背景に大きな違いがある

では、まとまった貯蓄を持つ世帯では、どのようにして資産を増やしているのでしょうか。

前述の調査では、金融資産残高が増加した理由についても質問を行っています。

20年前の2004年では、金融資産が増加した理由として最も多かったのは「定例的な収入が増加したから(37.1%)」というものでした。つまり、賃上げや昇給などによって給与が増加した人が多かったようです。

一方、2024年で最も多かった回答は「株式、債券価格の上昇により、これらの評価額が増加したから(44.7%)」というものになっています。

NISAやiDeCoなど資産運用を後押しする制度が普及している近年では、自ら資産運用に取り組むことで資産を増やしている人が多いことがうかがえます。

5. どのように資産を増やしていくべきか考えてみよう

過去20年における貯蓄額の推移をみると、平均額は大きく増加している一方で中央値は減少している状況です。

これは「まとまった資産を持つ人が増えている一方で、資産が少ない人も増加している」という二極化が大きな要因と考えられます。

物価高や社会保障費の増加によって家計が苦しくなる現在、計画的に資産を増やしていくためには、資産運用に取り組むことを検討してみるとよいかもしれません。

【編集部よりご参考】

年代別の貯蓄額はいくら?5/5

年代別の貯蓄額はいくら?

出所:J-FREC 金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」をもとにLIMO編集部作成

5.1 20歳代~60歳代の貯蓄額の平均値

  • 20歳代:382万円
  • 30歳代:677万円
  • 40歳代:944万円
  • 50歳代:1168万円
  • 60歳代:2033万円
  • 70歳代:1923万円

5.2 20歳代~60歳代の貯蓄額の中央値

  • 20歳代:84万円
  • 30歳代:180万円
  • 40歳代:250万円
  • 50歳代:250万円
  • 60歳代:650万円
  • 70歳代:800万円

参考資料