ファイナンシャルアドバイザーの筆者は、理想の老後生活に向けた資産形成について日々相談を受けております。
「老後に対する不安」の大きな要因の一つとして、将来受け取る年金額が十分ではないのではないか、という心配があります。
若い世代でも老後の生活に不安を感じている方は多く、実際にどれくらい年金を受け取れるのか、具体的なイメージを持ちにくいのが現状です。
本記事では、現代シニアのリアルな年金受給額について詳しく解説していきます。
1. 「国民年金」と「厚生年金」をおさらい
まずは、公的年金制度の仕組みについて確認しておきましょう。
日本の公的年金制度は＜2階建て構造＞で、1階部分が「国民年金」、2階部分が「厚生年金」となっています。
1.1 1階部分：「国民年金」の加入者とは？
国民年金は、日本に住む「20歳から60歳未満のすべての人」が原則加入しなくてはなりません。いわば「年金のベース部分」です。
保険料は全員一律となっていて、40年間欠かさず納めれば満額を受け取ることができます。
1.2 2階部分：「厚生年金」の加入者とは？
厚生年金は、会社員や公務員、またパートで特定適用事業所に働き一定要件を満たした方が、国民年金に上乗せで加入する年金です。
保険料は収入に応じて変わり、基本的には稼げば稼ぐほど、将来もらえる年金額が増えるようになっています（ただし上限あり）。
加入期間や納めた保険料により、年金額に個人差が出やすいのが特徴です。
最近は、この２階建ての上に私的年金（3階部分）を用意する人も増えてきました。たとえば個人型確定拠出型年金の「iDeCo」など、個人が資産を運用する選択肢が広がっています。
現在のシニアはいくらほど公的年金を受給しているのか、次章では年金の平均年金月額を見てみましょう。
